韓経:日本の輸出規制に…サムスン、NAND減産を検討

韓経:日本の輸出規制に…サムスン、NAND減産を検討

2019年07月10日10時11分
[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
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サムスン電子の職員が京畿道華城キャンパスの半導体生産ラインクリーンルームで半導体装備を点検している。(サムスン電子提供)
  サムスン電子とSKハイニックスが早ければ今月からNAND型フラッシュメモリーの生産量を段階的に減らすことを検討していることが分かった。半導体の不況で在庫が急増する中、日本政府が核心素材の輸出を規制したことで、こうした「苦肉の策」を考慮している。

  半導体業界によると、サムスン電子とSKハイニックスは今年下半期のNAND型フラッシュメモリー大規模減産に関連して時期と規模を見計らっている。NAND型フラッシュメモリーはDRAMとは違い、電源が切れてもデータを保存するメモリー半導体だ。

  サムスン電子は半導体製造工程に幅広く使われるエッチングガス(高純度フッ化水素)供給が日本の輸出規制でふさがると、営業赤字を出しているNANDの生産から減らすという戦略を立てたという。証券業界はサムスン電子が4-6月期、NAND事業で3000億ウォン(約277億円)ほど赤字を出したと推定した。SKハイニックスは今年1-3月期から数千億ウォン台の赤字を出している。

  ある半導体協力会社の代表は「日本の輸出規制が長期化すれば、サムスン電子とSKハイニックスのNAND減産規模は急激に増えるだろう」と話した。

  ◆日本、米国のファーウェイ叩きのように「標的射撃」

  サムスン電子とSKハイニックスが「NAND型フラッシュメモリー減産」を本格的に検討し始めたのは「工場の稼働中断」という初めての事態をひとまず避けようという「苦肉の策」という分析が出ている。収益性が落ちる生産ラインの稼働率から低め、日本の「経済報復」で触発した韓日緊張関係が政治・外交的に解決するまで時間をできる限り稼ごうという考えがある。日本政府の輸出規制が長期化すれば、サムスン電子とSKハイニックスが世界市場の70%以上を占めるDRAMの生産にも支障が生じるしかない。DRAMとNAND型フラッシュメモリーの供給を受けるグローバル情報技術(IT)企業が今回の事態を注視している理由だ。

  ◆サムスン電子が前例のない減産、なぜ?

  半導体業界によると、サムスン電子とSKハイニックスは4月に1-3月期の業績を発表した際、NAND型フラッシュメモリーの生産を減らす道を開いておいた。「生産ラインを最適化する作業を推進する」(チョン・セウォンサムスン電子副社長)、「今年のNAND型フラッシュメモリーウェハー投入量を昨年より10%以上減らすかもしれない」(チャ・ジンソクSKハイニックス副社長)という原則と基準も発表した。しかし当時は「市況と在庫に基づいて決める」という条件が付いていた。両社ともに4-6月期末から半導体の需要が徐々に回復すると見込んでいた時期だ。生産量を積極的に減らすよりも、ひとまず需要が回復するまで在庫を抱えていく戦略を選択した背景だ。

  こうした生産戦略を揺るがした「メガトン」級イシューが日本政府の半導体・ディスプレー核心素材輸出規制だ。半導体製造工程で幅広く使用されるエッチングガス(高純度フッ化水素)、フォトレジスト(感光剤)、フッ化ポリイミドの3つの素材の供給が事実上途切れ、工場の稼働を中断する危機を迎えたからだ。エッチングガスが特に問題という。エッチングガスは半導体ウェハーの不必要な部分をなくす食刻と不純物を洗浄する洗浄作業に使われる。DRAM、NAND型フラッシュメモリー、モバイルアプリケーションプロセッサ(AP)など、ほとんどすべての半導体製造工程に必須だ。朴在勤(パク・ジェグン)漢陽大融合電子工学部教授は「エッチングガスの在庫が減れば、被害を最小化できる順序で生産ラインを止めることになる」とし「減産は工場の稼働中断という極端な事態を遅らせるための対策」と説明した。

  NAND型フラッシュメモリーから減産を検討するのは、工場を運営するほど赤字が出るからだ。市場調査機関IHSマーケットによると、昨年1-3月期に0.3ドル水準で取引された1ギガバイト(GB)級NAND型フラッシュメモリー平均取引価格は今年1-3月期には0.152ドルと、半分に落ちた。サムスン電子とSKハイニックスの1GBのNAND型フラッシュメモリー製造コスト(0.155-0.166ドル)より低い。サムスン電子とSKハイニックスは4-6月期、NAND事業だけで数百億-数千億ウォンの営業赤字を出した。今回の減産検討をめぐり、一部から「泣きたいところに殴られた格好」という声が出る理由だ。

  ◆日米のライバル企業に「反射利益」も

  半導体業界は世界1位のNAND型フラッシュメモリー製造企業のサムスン電子が減産の時期と物量を考慮している点に注目している。2008-09年に半導体業界で最後の「チキンゲーム」があった当時にも生産を人為的に減らさなかったからだ。

  実際、サムスン電子とSKハイニックスが減産に入る場合、世界NAND型フラッシュメモリー取引価格にも少なからず影響を及ぼすと予想される。昨年基準でサムスン電子(38.5%)とSKハイニックス(11%)のNAND型フラッシュメモリー市場シェアは50%に近い。さらに米マイクロンが先月、ウェハー投入基準の減産規模を前年同月比5%から10%に拡大した。世界2、3位企業の東芝とウエスタンデジタルの合弁事業、四日市工場の半導体ラインも先月の停電以降、工場の稼働が円滑でないという。

  日本の輸出規制が長期化し、サムスン電子とSKハイニックスがDRAMまで減産する場合、市場に及ぼす衝撃波はさらに大きくなると予想される。昨年基準でサムスン電子(42.8%)とSKハイニックス(29.6%)のDRAM市場シェアは72.4%にのぼる。

  ソウル大材料工学部のファン・チョルソン教授は「韓国メモリー企業の減産でDRAMとNANDの価格が暴騰すれば、この製品を使用するアマゾン、グーグル、ファーウェイ(華為技術)などグローバルIT企業は打撃を受けるだろうが、マイクロン、インテル、東芝、TSMCなど韓国企業のライバル企業には追い風になる」と説明した。また「世界各国の政府と企業が日本政府の輸出規制による得失を計算しているはず」と話した。
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