平昌に来た北朝鮮の客…目が2つしかないことを後悔させよう(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.02.07 13:52
平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)開幕が秒読み段階に入った。世界92カ国から2925人が出場する国際スポーツ祝祭だ。ところが「平壌(ピョンヤン)」の影を色濃く落としている。選手団よりも大規模な北朝鮮芸術団・応援団の平昌行きに国民は冷ややかな目を向けている。南北合同チームと合同入場、統一旗(韓半島旗・朝鮮半島旗)使用などをめぐる論争は終わらない。青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府の立場に関係なく、国民は「平壌オリンピックか」という問いかけを続けている。次々と平昌入りする北朝鮮の客を我々はどう迎えるべきなのか。
金大中(キム・デジュン)政権当時2002年10月、ソウルに来た北朝鮮高官級の経済視察団は美しい夜景に目を丸くした。南山(ナムサン)ソウルタワーに上って摩天楼と不夜城を眺めながらだ。宿舎に戻った一行は東大門(トンデムン)ショッピングモールの賑わう姿に心を奪われた。北側は車を止めてほしいと要求した。そして「南朝鮮経済学習」のための即席現場授業が行われた。ある北側関係者は「目が2つしかなく、もっと多くのものを見られないのが残念だ…」と独り言のように語った。
北朝鮮経済の指令塔の朴南基(パク・ナムギ)国家計画委員長をはじめとする18人の視察団は衝撃の7泊8日間を送った。KTX京釜(キョンブ)線に試乗した視察団は時速300キロを超えると立ち上がって拍手した。韓国の事情を知っていると自負していた張成沢(チャン・ソンテク)労働党第1副部長も器興(キフン)のサムスン電子生産ラインを見て驚いた。キムチ冷蔵庫に引かれて目を離せなかった。彼らが帰国した後、情報当局が板門店(パンムンジョム)を通じてキムチ冷蔵庫をこっそりと送ったのもこうした事情のためだ。当時、視察団に同行した政府当局者は「ソウルを離れる前日夜に荷物をまとめながら『平壌に行って時計店でも開けそうだ』という北側関係者の言葉が印象的だった」と振り返った。