するとサルマンは国防相だった昨年９月、超大型国防プロジェクトを始めた。イラク国境に沿って長さ１０００キロ近い「２５００里の長城」を建設する事業だ。侵入者が国境を越えられないよう５重の防護壁を建設した後、２０キロごとに監視レーダーを設置し、壁に感知センサーまで付着し、徹底的に監視網を構築する計画だ。空には偵察機と無人監視機が常時飛ぶことになる。ここには天文学的な予算が投入される。別の見方をすれば、巨大な融・複合型国防・保安市場が新しく開かれたのだ。建設はもちろん、国防とＩＴ技術も発達したうえ、６０年以上のＤＭＺ警戒ノウハウまで保有する韓国が十分に狙える市場だ。

それだけでない。サルマン国王は即位翌日、セキュリティーと対テロ専門家の甥ムハンマド・ビン ナイーフ・アルサウド（５５）を王位継承序列２位（Ｖｉｃｅ　Ｃｒｏｗｎ　Ｐｒｉｃｅ）に上げた。サウジのセキュリティーの責任を負うために長期間にわたり育成された人物だ。米連邦捜査局（ＦＢＩ）と英スコットランドヤード（警察庁）で訓練を受けた後、内務省で働き、対テロプログラムを主導してきた。州知事とスペイン大使を務めた兄サウドを上回ったという点で、セキュリティー専門家の経歴が作用したと分析される。韓国はセキュリティーと警備の分野でもノウハウがある。

朴大統領は帰国後もサウジの王室と議論するアイテムが非常に多い。一回だけの訪問に終わらず、中東に戦略的に、長期的に、積極的にアプローチするグランドデザインをする時だ。我々が簡単に与えることができる商品を越え、中東が強く望む財・サービスを見つけ、創造し、提供しなければいけない。それが創造経済ではないだろうか。

チェ・インテク論説委員


【コラム】朴大統領、中東グランドデザインをする時（１）