経済危機による不況に最もあえぐのはを恵まれない人々、中でも子供たちだ。親の失業や破産、それによる離婚、家出が増加し、食事さえろくに取れずにいる子どもが増えている。
それでも学期中には、学校で昼食1食は給食で済ませて空腹感を解消することができる。今年現在、全国で61万7000人の小中高生が学校で無料の給食を受けている。ところが、休み中には対象者が29万4000人に急減する。約32万人の子どもが給食の恩恵から外されるのだ。
休み中に突然家庭の事情が好転するわけでもないのに対象が急減するのは、二元化した管理システムによる。学校の給食は教育科学技術部(教科部)が担当するが、休み中の給食は各自治体が受け持っている。教科部が無料給食者の名簿を通報すれば、自治体別に、休み中にも給食が必要かどうかの個別調査を行い、支援対象を決めるのだ。この過程で思春期でいちばん鋭敏な時期の子どもたちが羞恥心を覚え「大丈夫だ」と答えるという。「欠食児童」であることを認めるよりは食事を抜く方がいいという選択だ。まことに残念なことと言わざるを得ない。