【社説】韓中、THAAD対立と習近平発言の誤解解いて未来に進まねば(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.04.23 13:03
もうひとつは中国共産党の執権正当性問題だ。労働者と農民のための社会主義国を建設すると言っていた中国共産党は改革・開放以降は資本家まで抱きしめる事実上の全民党になった。社会主義理念ではこれ以上国民を武装させることができなくなった中国共産党が代替理念として切り出したのが愛国主義だ。これは攻勢的民族主義の別の名前だ。まさにこうした2つの要因が中国の歴史観を大国主義的・国粋主義的に飛び出させている。ややもすると中国の浮上という流れに乗り覇権主義的性向に突き進まないか心配される。
毛沢東時代には外のことは気にせず「穴を深く掘って食糧備蓄にでも努めよう(深洞広積糧)」というスローガンが習近平時代になってからは中国もいまは「奮い立ってすべきことをしよう(奮発有為)」に変わった。習主席が提示したビジョンは「中国夢」で、1840年の阿片戦争以前に時代に世界最強の国力を誇った中華の過去の栄光を取り戻そうというものだ。先祖の輝かしい精神を現在に生き返らせるという中国の誓いは止めるべきことではない。しかしもし19世紀末まで続いた東アジアの朝貢冊封秩序を21世紀に復活させるという意図だったら時代錯誤に違いない。私たちは習主席の話がこうした流れから出てきたのではないことを期待する。また、韓国社会の一部では高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓半島(朝鮮半島)配備にともなう中国の報復を、韓国を中華圏秩序の中に縛っておこうとする一種の手なずけ次元と解釈する見方もやはり杞憂であることを望む。
習主席にこうした期待を持つのは彼が2014年に韓国に提示した4種類のパートナー関係の含意を信じるためだ。当時習主席は韓国と中国が▽共同発展実現▽地域平和寄与▽アジア発展推進▽世界繁栄促進をともに図るパートナーになろうと力説した。韓中が対等で平等な近隣国として未来に向かってともに進もうという叫びだ。こうしたパートナー関係が続く限り「韓国が中国の一部」とか「THAADが中国を狙ったもの」という歴史的・安保的誤解が立つ場所はないだろう。今年は韓中修交25周年を迎える年だ。両国は誤解を生むような行動を自制し、一刻も早くTHAAD対立を解き協力の未来に向かって進むことを促す。(中央SUNDAY第528号)
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