板門店の「記憶喪失」幽霊…北朝鮮の素顔は変わらない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.10 15:13
新年早々、南北関係が過熱している。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の「新年の辞」の一言に韓国政府は慌ただしく動き出し、昨日は板門店(パンムンジョム)に会談テーブルが準備された。まさに電光石火だ。北朝鮮の平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)参加問題とともに、いくつかの南北懸案が次々と浮上し、バラ色の展望が広がっている。それでも心の片隅で引っかかるものがある。金正恩体制の北朝鮮は本当に過ちを改めるのだろうか。会談場の笑い声の中に隠された彼らの素顔をのぞいてみよう。
北朝鮮代表団は9日、板門店軍事境界線(MDL)を歩いて越えてきた。南側の「平和の家」で開かれた当局対話のためだ。北側団長の李善権(イ・ソングォン)祖国平和統一委員長をはじめとする一行が歩いてきたところから数歩の距離にはAK-74の銃弾跡が鮮明に残る松が立っている。昨年11月13日に北朝鮮兵士オ・チョンソン氏が脱北・亡命した時、追撃者が南側地域まで侵犯して銃撃を加えた跡だ。死を覚悟した脱出劇の現場はわずか58日ぶりに南北和解の場に変わった。あたかも記憶喪失になったかのように誰も過去の事件を口にしない。