【社説】正しい権力は時代の使命だ=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.07 10:53
司法府の審判は峻烈だった。法の境界を越えた権力の脱線と国民が委任した権限を私的に使った罪に重い責任を負わせた。朴槿恵(パク・クネ)前大統領を国政壟断事態の「主犯」と規定しながら検察が提起した18の容疑のうち16件を有罪または一部有罪と判断した。66歳の朴前大統領に崔順実(チェ・スンシル)被告より4年多い懲役24年と罰金180億ウォン(約18億円)が言い渡された。憲政史上初めてだった大統領罷免の正当性を法的に追認したのだ。
裁判長の金世潤(キム・セユン)部長判事はテレビで生中継された裁判で、一審判決の要旨を落ち着いて読み上げながら一つひとつ違法事項を指摘した。朴前大統領が崔順実被告または自身のために企業に資金を要求して受けたという収賄容疑を認めた。文化・芸術・教育界の特定の人たちが政府の支援を受けられないよう権力を乱用したという検察側の主張も認めた。金部長判事は「憲法上の責任を放棄し、国民から受けた地位と権限を私人に分け、権限を乱用して企業経営の自由を深刻に侵害した」と指摘した。しかし被告人席に朴前大統領の姿はなかった。国選弁護人2人だけが座っていた。いわゆる「朴槿恵がいない朴槿恵裁判」だった。
すべての人が同意する判決は極めて珍しいことだ。今回の裁判をめぐっても正当な法の審判だという見方と誤謬と偏見の判決という批判に世論が分かれている。裁判の過程に欠陥があるいう人もいる。朴前大統領は昨年、裁判所が拘束の延長を決めると裁判をボイコットした。一審の拘束期間(6カ月)が終わった後、拘束せず裁判を進めるのが望ましかったという意見は法曹界でも出てきた。結局、歴史的な裁判の法廷で審判を受ける当事者の声を聞くことができなかった。誰の過ちかはさておき、半分裁判、政治裁判、世論裁判という主張が提起される余地を残したという点で非常に残念な部分だ。