米朝首脳会談が来月１２日にシンガポールで開催されることが発表されたが、韓国の文在寅（ムン・ジェイン）大統領と北朝鮮の金正恩（キム・ジョンウン）国務委員長の執務室に設置された直通電話（ホットライン）の音はまだ鳴っていない。

その間、青瓦台（チョンワデ、大統領府）は米朝首脳会談の時期と場所が決定すれば南北首脳がホットラインを利用した最初の通話をする可能性があると明らかにしていた。これに関し青瓦台関係者は１４日、「時点よりも内容が重要であり、早くすることだけがすべてではない」とし「実務陣の間で接触している」と話した。

当初、南北首脳は南北首脳会談直前にホットラインを開通して最初の通話をすることで合意した。実際、首脳会談を１週間後に控え、青瓦台と北朝鮮国務委員会の実務者間で最初の試験通話（４分１９秒）も行われた。しかし首脳会談を３日後に控えて青瓦台は「（最初の通話が）首脳会談の直前になるか直後になるかはまだ決まっていない」と慎重な立場を表した。

青瓦台は首脳会談の直後には「ホットライン通話は米朝首脳会談日程の発表後になるかもしれない」とし「金委員長と話す素材ができるため」という立場を明らかにした。金委員長が首脳会談で文大統領に「電話をかければ本当にいつでも受けるのか」と述べ、ホットラインに関心を表したという内容も共に公開した。

しかし米朝首脳会談の日程と場所が公式化した後にも南北首脳間の最初の通話について何の音沙汰もない。最初の通話時期の調整が遅れるのは、南北首脳間のホットライン通話は通常の首脳間の電話会談とは違うためというのが青瓦台の説明だ。青瓦台関係者は「南北首脳間のホットラインは内密な話がある時にする通話という概念と理解すればよいだろう」とし「通話のタイミングよりはコンテンツがさらに重要」と説明した。

ホットラインは緊急性を帯びるだけに、米朝首脳会談をめぐり隔たりが露出していない状況で南北首脳間の通話は適切でないという見方もある。北朝鮮朝鮮中央通信は９日付の報道で、金正恩委員長が訪朝したポンペオ米国務長官に会い、トランプ米大統領の口頭メッセージを伝えられると、これに謝意を表したと報じた。北朝鮮が２３－２５日に豊渓里（プンゲリ）核実験場を爆破して閉鎖すると発表すると、トランプ大統領は１２日（現地時間）、ツイッターで「非常に賢く丁重なジェスチャー」として歓迎した。

結局、文大統領が２２日の韓米首脳会談のためにワシントンを訪問する直前または直後に最初の通話があると予想される。文大統領が韓米首脳会談と南北首脳間のホットライン通話を通じて、非核化をめぐる米朝両国間の隔たりを最大限に減らす役割をしようとするためだ。南北首脳間のホットライン通話がある場合、両首脳は韓半島非核化の方法論などをめぐり対話をすると予想される。