【コラム】青春礼賛=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.13 12:21
毎年夏、日本プロ野球チーム阪神タイガースは2週間ホームスタジアムを離れて「地獄の遠征」に出る。「甲子園」と呼ばれる日本全国高校野球大会のためだ。「甲子園」は本来大阪の近くにある阪神のホームスタジアムの名前だが、全国高校野球大会を象徴する名前としてのほうが有名だ。甲子園の舞台を踏むのは日本のすべての高校球児たちの夢だ。全国およそ4000校の高校球児たちがこの舞台に立つためにプレーする。
韓国内にも多くのファンを有している漫画家あだち充の漫画『H2』『タッチ』は甲子園と野球を素材にしている。日本であだち充の漫画が大きな人気を得ている理由は単に人気スポーツを扱っているだけではない。甲子園で敗れたチームは球場の土を持ち帰る伝統がある。この土は情熱、不安、失敗、友情、片思いなどが入り混じった青春という時間と感情の象徴だ。阪神タイガースの選手は後輩たちのために自分たちの舞台を喜んで青年たちに譲る。
半面、韓国の青年たちはスポットライトの中に立つべき自身の舞台をむしろ既成世代に譲っている。「青春」という単語も共に譲った。名士の講演や成功談のような他人の話から自身の慰安を見つけようとする。青春に対する既成世代の見方と文章を共有するだけで、自分たちのの文化や話についてはできない。テレビの芸能番組を通じて風刺される現実に精一杯笑って怒るのが関の山だ。自嘲的な語彙が若者世代の文化を代弁している。大切にされるべき「青春」という言葉もそのようにして色あせている。