財政拡大に向かう韓国政府、税収は減少
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.12 13:42
景気不振を憂慮した韓国政府が「財政拡大」に集中しているが、これに必要な税収の確保は難しくなっている。
企画財政部が１１日に出した「月間財政動向」（６月号）によると、今年１－４月の累積国税収入は前年同期比５０００億ウォン減の１０９兆４０００億ウォン（約１０兆円）だった。同じ期間の年度別国税収入は月間指標の発表を始めた２０１４年からずっと増えてきたが、今年に入って初めて減少した。
政府が目標にした税収に対する実際の税収の比率（国税収入進度率）も大幅に低下した。今年１－４月の国税収入進度率は３７．１％と、前年同期比３．９％ポイント減少した。この比率は２０１６年以降４０％を超えていた。過去４年間続いた税収増加が今年に入って事実上終わったという診断が出ている理由だ。
特に徴税ペースが遅い部門は所得税と法人税だ。進度率がそれぞれ３．３％ポイント、５．８％ポイント下落した。これについて専門家は文在寅（ムン・ジェイン）政権が進める経済成長政策の所得主導成長と革新成長が成果につながっていない証拠だと指摘する。「所得増加と企業革新強化→内需増大と企業利益増加→所得税・法人税収入増加→福祉拡大」とつながる好循環構造を追求したが、目標とは違って内需が冷え込み、企業の利益が減り、税収目標も達成できなくなっているということだ。
キム・ウォンシク建国大経済学科教授は「所得税・法人税増加が目標に達しないのは、それだけ経済成長政策がまともに作動していないという意味」とし「従来の経済政策方向を修正しなければ今年末まで景気不振は続くだろう」と述べた。
政府は経済政策の修正よりも拡張財政を通じた景気浮揚に政策力を注いでいる。青瓦台（チョンワデ、大統領府）の尹ジョン源（ユン・ジョンウォン）経済首席秘書官は７日の記者懇談会で、国民経済計算の基準年度を２０１０年から２０１５年に変更した結果、昨年の国内総生産（ＧＤＰ）に対する国家債務比率が３８．２％から３５．９％に低下した点を財政余力の根拠だと強調した。財政拡大は文在寅大統領も後押ししている。文大統領は企画財政部が主張した財政健全性のマジノ線「国家債務比率４０％」基準に問題を提起した。
問題は税収だ。今年の韓国経済の成長率が２％台序盤まで下落する可能性も提起されるなど、景気下降局面では税収の確保がさらに難しくなる。政府はこうした難局を打開しようと財政拡大に集中しているが、税収が十分に確保できなければ国債発行で財源を調達するしかない。国の負債がそれだけさらに増えるということだ。月間財政動向によると、４月末基準の中央政府の債務は６７５兆８０００億ウォンと、前月比で５兆５０００億ウォン増加した。
昨年のように半導体の輸出好調による超過税収（２５兆４０００億ウォン）を期待できず、財政健全性指標も悪化している。今年１－４月の統合財政収支（総収入－総支出）は２５兆９０００億ウォンの赤字となった。管理財政収支（統合財政収支－社会保障性基金収支）も３８兆８０００億ウォンの赤字だ。２つの指標の赤字幅は、月間財政動向の発表を始めて以降最大となった。
専門家は最近悪化した財政健全性指標は「財政ジレンマ」に陥った政府の状況をそのまま表していると指摘する。拡張財政の財源を確保するために増税しようとすれば民間消費の冷え込みが懸念されるからだ。また増税は来年４月の総選挙を控えた与党の反発を招くと考えられ、選択肢に入れるのも難しい。結局、国債発行で財源を調達すれば民間に供給された資金を政府が吸収することになり、景気活性化にマイナスの効果ばかりをもたらす。
専門家は特に財政拡大に依存して経済を成長させようとする「財政中毒」から抜け出すべきだと強調している。中長期財政が不安定な状況では財政支出を拡大しても景気浮揚効果は得にくいという理由からだ。少子高齢化で今後は税金支出額が増えると予想され、老後に受ける年金も減るかもしれないという心理が市場に形成された状況では、資金を供給しても民間は財布を開かない現象が表れるということだ。
オク・ドンソク仁川大貿易学科教授は「税金を１００万ウォン増やせば民間消費は１２５万ウォン分減るという研究結果もあるように、財政を動員してこそ景気を浮揚できるという観念から抜け出すべき」とし「歴代政権が毎年上半期に『予算早期執行』に没頭するため、国家財政計画に支障が生じる現象も繰り返されている」と指摘した。続いて「財政政策でなく生産性中心の経済政策で税収増大を誘導するのが最善だ」と話した。
企画財政部が１１日に出した「月間財政動向」（６月号）によると、今年１－４月の累積国税収入は前年同期比５０００億ウォン減の１０９兆４０００億ウォン（約１０兆円）だった。同じ期間の年度別国税収入は月間指標の発表を始めた２０１４年からずっと増えてきたが、今年に入って初めて減少した。
政府が目標にした税収に対する実際の税収の比率（国税収入進度率）も大幅に低下した。今年１－４月の国税収入進度率は３７．１％と、前年同期比３．９％ポイント減少した。この比率は２０１６年以降４０％を超えていた。過去４年間続いた税収増加が今年に入って事実上終わったという診断が出ている理由だ。
特に徴税ペースが遅い部門は所得税と法人税だ。進度率がそれぞれ３．３％ポイント、５．８％ポイント下落した。これについて専門家は文在寅（ムン・ジェイン）政権が進める経済成長政策の所得主導成長と革新成長が成果につながっていない証拠だと指摘する。「所得増加と企業革新強化→内需増大と企業利益増加→所得税・法人税収入増加→福祉拡大」とつながる好循環構造を追求したが、目標とは違って内需が冷え込み、企業の利益が減り、税収目標も達成できなくなっているということだ。
キム・ウォンシク建国大経済学科教授は「所得税・法人税増加が目標に達しないのは、それだけ経済成長政策がまともに作動していないという意味」とし「従来の経済政策方向を修正しなければ今年末まで景気不振は続くだろう」と述べた。
政府は経済政策の修正よりも拡張財政を通じた景気浮揚に政策力を注いでいる。青瓦台（チョンワデ、大統領府）の尹ジョン源（ユン・ジョンウォン）経済首席秘書官は７日の記者懇談会で、国民経済計算の基準年度を２０１０年から２０１５年に変更した結果、昨年の国内総生産（ＧＤＰ）に対する国家債務比率が３８．２％から３５．９％に低下した点を財政余力の根拠だと強調した。財政拡大は文在寅大統領も後押ししている。文大統領は企画財政部が主張した財政健全性のマジノ線「国家債務比率４０％」基準に問題を提起した。
問題は税収だ。今年の韓国経済の成長率が２％台序盤まで下落する可能性も提起されるなど、景気下降局面では税収の確保がさらに難しくなる。政府はこうした難局を打開しようと財政拡大に集中しているが、税収が十分に確保できなければ国債発行で財源を調達するしかない。国の負債がそれだけさらに増えるということだ。月間財政動向によると、４月末基準の中央政府の債務は６７５兆８０００億ウォンと、前月比で５兆５０００億ウォン増加した。
昨年のように半導体の輸出好調による超過税収（２５兆４０００億ウォン）を期待できず、財政健全性指標も悪化している。今年１－４月の統合財政収支（総収入－総支出）は２５兆９０００億ウォンの赤字となった。管理財政収支（統合財政収支－社会保障性基金収支）も３８兆８０００億ウォンの赤字だ。２つの指標の赤字幅は、月間財政動向の発表を始めて以降最大となった。
専門家は最近悪化した財政健全性指標は「財政ジレンマ」に陥った政府の状況をそのまま表していると指摘する。拡張財政の財源を確保するために増税しようとすれば民間消費の冷え込みが懸念されるからだ。また増税は来年４月の総選挙を控えた与党の反発を招くと考えられ、選択肢に入れるのも難しい。結局、国債発行で財源を調達すれば民間に供給された資金を政府が吸収することになり、景気活性化にマイナスの効果ばかりをもたらす。
専門家は特に財政拡大に依存して経済を成長させようとする「財政中毒」から抜け出すべきだと強調している。中長期財政が不安定な状況では財政支出を拡大しても景気浮揚効果は得にくいという理由からだ。少子高齢化で今後は税金支出額が増えると予想され、老後に受ける年金も減るかもしれないという心理が市場に形成された状況では、資金を供給しても民間は財布を開かない現象が表れるということだ。
オク・ドンソク仁川大貿易学科教授は「税金を１００万ウォン増やせば民間消費は１２５万ウォン分減るという研究結果もあるように、財政を動員してこそ景気を浮揚できるという観念から抜け出すべき」とし「歴代政権が毎年上半期に『予算早期執行』に没頭するため、国家財政計画に支障が生じる現象も繰り返されている」と指摘した。続いて「財政政策でなく生産性中心の経済政策で税収増大を誘導するのが最善だ」と話した。