米国、大きな声に比べ低い制裁レベル…「米中関係を捨てられないため」

米国、大きな声に比べ低い制裁レベル…「米中関係を捨てられないため」

2017年09月13日08時57分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  国連安全保障理事会15理事国が11日(現地時間)、新たな対北制裁決議2375号を全会一致で通過させた。北朝鮮の6回目の核実験から9日目だ。対北朝鮮制裁では9件目となる。今回は北朝鮮の生命線と見なされる対北朝鮮原油供給の制限などが盛り込まれた。北朝鮮にとってどれほどの打撃になるのだろうか。

  (1)原油

  安保理は400万バレルと推定される原油はそのまま維持し、石油精製品は200万バレル(現在の45%水準)に減らすことにした。金英秀(キム・ヨンス)西江大政治外交学科教授は「原油や石油製品は北の血液のようなものだ。血液がまともに流れなければ血圧が上がるしかなく、中国やロシアが対北血液供給(原油など)制裁に賛成したという点は心理的に大きな打撃になるだろう」と分析した。

  ヤン・ムンス北朝鮮大学院大学校教授も「今は買い占めや密貿易を通じて現状維持ができるとしても、制裁を避けるのには限界があるため、時間の経過とともに苦痛を感じるしかないはず」と予想した。

  魏聖洛(ウィ・ソンラク)ソウル大客員教授は「6回目の核実験とその前後のミサイル試験はこれまでとは次元が違う挑発であり、核・ミサイル完成に進むクォンタムジャンプ(大跳躍)に該当するが、安保理の対応には質的なジャンプがなかった」と評価した。

  (2)金正恩委員長の資金

  北朝鮮の繊維製品輸出と労働者の新規海外派遣を禁止したのは、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の統治資金を狙ったものと分析される。決議案が守られる場合、北朝鮮はすぐにも10億ドル(約1100億円)ほどの現金収入減少が避けられない。

  北朝鮮との合弁事業も遮断した。決議によると、従来の企業は120日以内に事業を整理しなければいけない。「金正恩委員長に対する直接制裁ではないが、事実上、金正恩委員長と指導部が制裁の目標」という分析だ。

  しかし申ガク秀(シン・ガクス)元駐日大使は「金正恩委員長個人に対する制裁は含まれればよく、それがだめなら別のものを得るためのカードと見ていたが、抜けた分ほど別の多くのものを得ることができなかった」という見方を示した。

  (3)履行がカギ、北朝鮮の反発

  問題は中国やロシアなど北朝鮮体制の現状維持を望む国がどれほど参加するかだ。チョ・ボンヒョンIBK経済研究所副所長は「安保理決議が効果を出すためには中国やロシアの参加が必須」と診断した。これまでの対北朝鮮制裁で適応力が生じているうえ、現在のように原油や石油製品の対北朝鮮輸出統計を虚偽で作成したり「裏口」の役割をする場合、対北朝鮮制裁は意味がない。

  千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島未来フォーラム理事長は「安保理制裁は事実上、中国が決裁権を持ち、中国がしたいことができるため、基本的に北の核開発を防ぐのは不可能だ」と主張した。

  キム・ヒョンウク国立外交院教授は「米国が北の核・ミサイル開発を今後ずっと眺めるのか、これを防ぐために米中関係を犠牲にするのかがジレンマだったが、結局、米中関係を捨てることができなかったということ」と述べた。

  新たな制裁の限界で、北朝鮮がさらに挑発する可能性は残っているという懸念も出てきた。鄭成長(チョン・ソンジャン)世宗研究所統一戦略研究室長は「金正恩委員長が大陸間弾道ミサイル(ICBM)試験発射を1、2回強行すると予想される」と話した。実際、ハン・ドソン北朝鮮ジュネーブ代表部大使は「法的な根拠がない安保理決議を拒否する。米国はかつてない苦痛を味わうことになるだろう」と追加挑発を予告した。

  一方、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は新たな決議について「以前の決議よりさらに強力な制裁が必要だという国際社会の共感と全幅の支持を意味するものだ」とし「中露を含めて全会一致で同意したことに対し(制裁が)不足だと評価することはできない」と述べた。
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