規制は魔法だ。その呪文で官僚社会は拡張される。公職優位の勢いはより増す。民間人は、公務員の前で気が引けてしまう。腐敗の誘惑が入り込む。官僚は怠慢になる。官僚マフィアは規制の陰の中に寄生する。元官僚の待遇は勢力を伸ばす。安全問題に不正が注入される。災難の備えはおろそかになる。

指導力は単純化の技量だ。広がった事案は簡潔に整理される。混乱した状況は圧縮される。リーダーシップは仕事の軽重を分ける。国家改造事案の核心をとらえる。それは規制だ。官僚マフィアの勢力は規制と絡み合っている。公務員の貪欲さは、規制を量産する。そのような規制は不正と混じり合っている。官僚カルテルは不可侵の航空母艦だ。規制は空母の動力だ。

公職者は巻き返しを企てる。セウォル号事件を規制緩和のせいにしようとする。船の年齢が３０年に延びた。だが「船齢」の緩和は事故の直接原因ではない。官僚らの規制への執着は病的だ。

公職者は二重だ。片方は退散すべき対象だ。もう片方は国政推進の手と足だ。政権としてはジレンマだ。有能な権力は、敵と同志を分類する。公職の内部を分けなければならない。尺度は平凡なものだ。無能と有能、怠慢と誠実だ。その尺度を執拗に突きつけなければならない。信賞必罰は大胆でなければならない。それで公職社会を圧迫しなければならない。彼らだけのリーグが崩れる。

国家改造は、大衆の支援を受けなければならない。国民と合作で実現できる。野党と共同演出しなければならない。国会は「金英蘭（キム・ヨンラン）法」（不正請託禁止法）の通過を急がなければならない。国家改造は統合の政治で成就する。

規制廃止は外部の衝撃として進行されるべきだ。官僚主導の改革はジェスチャーに終わる。身命を捧げる人が起用されなければならない。身命は規制改革の創造力を提供する。朴大統領の人事の抜てき基準にならなければならない。

権力は華やかな場面にはつながらない。改革は、革命よりも困難だ。官僚の老練さは、改革の情熱を冷めさせる。惨事は変革のティッピング・ポイント（Ｔｉｐｐｉｎｇ　Ｐｏｉｎｔ）として作動する。時は熟した。

朴槿恵政権は挙事に乗り出さなければならない。改革推進は無駄があってはならない。規制改革に集中すれば良い。国家改造の要素がトリップワイヤー（ｔｒｉｐ　ｗｉｒｅ、引継鉄線）として稼動する。官僚カルテルは崩れる。公職不正の悪循環の輪は途切れる。規制廃止は、国家改造の最初であり最後なのだ。

パク・ポギュン論説委員


【コラム】朴槿恵政権の多くの約束（１）