【噴水台】シンガポールと北朝鮮
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.05.14 14:30
昨年の夏、シンガポールで「兄弟の乱」が起きた。国父と称され仰がれているリー・クアンユー元首相が残した古い邸宅の処理のためだった。2015年に他界したリー元首相はこの家を聖域にはせずに壊せと遺言を残した。だが、長男であるリー・シェンロン現首相が遺言を守らずにこの場所に記念館を作ろうとする気配を見せると、弟と妹が立ち上がった。彼らの葛藤の背後には「3世世襲」という敏感な問題がちらついている。リー首相が息子のリー・ホンギ(31)に権力の座を譲り渡そうとする計画にしたがって、父親の偶像化を進めようとしているのではないかというのが弟妹の言い分だ。
華やかで高い摩天楼は異なるが、シンガポールの政治は北朝鮮と似ている部分がある。それは「ファミリー統治」だ。リー首相の夫人ホー・チンは国富ファンド「テマセク」の最高経営責任者(CEO)で、問題の息子リー・ホンギは公共技術部傘下機関の責任者だ。リー首相に反旗を翻した弟妹ですら、それぞれシンガポール民間航空局(CAAS)会長、国立脳神経医学院院長などの要職を占めている。外信が彼ら家族を「ファーストファミリー」と呼んいるのはこのためだ。