政界を引退した小泉纯一郞元首相が日本の政局の大きな変数として登場した。まず郵政民営化などをめぐる小泉氏と麻生太郎首相の鋭い政治攻防で、自民党は内紛の危機に瀕している。日本テレビが15日に発表した麻生内閣の支持率は9.7%と1けた台を記録した。2001年の森喜朗大臣の8.6%に次ぐ歴代2番目に低い支持率だ。この支持率ではいつ辞任してもおかしくない数値だ。
問題は、首相の安倍晋三氏、福田康夫氏が相次いで任期中に自ら辞任した上、選挙を目前にして、最悪の経済状況まで重なり、適当な後任者がいないということだ。このような中で小泉氏は、各種世論調査でも「次期首相候補」1位だ。彼が本格的に登場すれば、自民党の分裂は大きく浮き彫りになる見通しだ。総選挙の勝利を確信していた民主党は“希代の名優”小泉氏の登場にかなり緊張している。