【コラム】「法治」を口にする資格のない国会議員ら
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2009.11.30 10:55
レストランに入ったスイスの州議員が突然拳銃を取り出し引き金を引いた。銃弾はある男の胸に打ち込まれた。その場には市警局長と検事もいた。疑う余地のない明確な殺人だった。証人も十分だった。しかし状況はおかしな方向に進んだ。証拠の拳銃がなくなるなどさまざまな理由で議員は無罪で釈放され、代わりに議員の友人が濡れ衣を着せられ自殺に追い込まれた。
スイスの代表的劇作家で小説家のフリードリッヒ・デュレンマットが書いた小説「法」はこうして権力と金力の前に無残に毀損される法律を描いている。法は国と社会を支える大黒柱だ。大黒柱が折れれば家も崩れるのは当然だ。小説の最後に著者はこう独り言を言う。「だれが罪人なのか。法を犯す人か。法を頒布する人か」。