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【噴水台】世界8000万人が修練するテコンドー界で、ゴミ・汚物投てき騒動とは

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.04 15:28
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先月29日、釜山(プサン)南部警察署が組織暴力団32人を逮捕した。拳をちらつかせながら借金の取り立てを代行して“手数料”を回収したり、他人のお金をピンはねしたりした容疑だという。韓国社会ではそれほど珍しくない、ありふれたニュースだった。容疑者のうちの40代初めの2人だけ除けばの話だ。1人は往年にシルム(韓国相撲)の漢拏(ハンラ)級(注:90.1キロ以上105キロ以下)壮士の座を2回も経験し、もう1人はボクシングの韓国代表予備軍の出身だった。衝撃だ。自分の分野で頂上にのぼりつめたスポーツマンが、なぜこれほどまでに落ちてしまったのだろうか。韓国のスポーツ教育、特に格闘技・武術教育に何か誤りがあったのではないだろうか。

2人の容疑者の行動は該当スポーツではない個人的な逸脱のためだとするのが正しいようだ。ところが翌日の30日、大韓民国の自尊心であり国技と呼ばれるテコンドーを生み出した国技院で信じられない事態が発生した。国技院の新任理事長を選出するための臨時理事会に市民団体代表という2人が押しかけてゴミをばらまき汚物が入った水おけを投げて、机をひっくり返し会議の進行を妨害した。混乱に陥った会議は結局中断された。当時の動画と写真を見れば、武道人を自認する者の行動だとはとうてい信じられない。それほど遠くない過去に一部のテコンドー人が勢力争いを行って腕力・足蹴りもはばからなかった光景が思い浮かぶほどだ。

 
いくつかのテコンドー界の要人に尋ねると、背景には根深い派閥・利害抗争が横たわっているといった。その上政治が割り込んできて事態はさらに複雑になるということだ。他のスポーツ団体もそうだがテコンドー団体も、政治家たちが欲しがっているようだ。セヌリ党のキム・テファン議員が大韓テコンドー協会長で、同じセヌリ党のホン・ムンジョン事務総長は来月開かれる世界テコンドー連盟(WTF)次期総裁選挙に公式出馬した。その上問題になった国技院の新任理事長職にホン事務総長が関心を見せているといううわさも広がる。本人は「まだ何も具体的な話にはなっていない」と話したが。ひょっとして考えがあるならば、忙しい与党事務総長として7月のWTF総裁選挙とテコンドーのオリンピック種目公認の有無が最終決定される9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会、そして10月の国会議員再・補選を全て無難にこなす自信があるのかたずねたい。

格闘技や武術は人格教育が最優先だ。そうでなければ単なる“暴力技術”に過ぎない。特に韓国の固有武術であるテコンドーは、韓流の大きな資産でもある。国技院の最大収入源は昇級・昇段審査費だが、昨年の審査費収入85億ウォン(約7億6000万円)のうち45億ウォンが海外、40億ウォンは韓国内で発生した。韓国内よりも海外でより多く稼いだのだ。全世界204カ国8000万人が修練する神聖なテコンドー界に、ゴミ・汚物投てき騒動とは。恥ずかしくないのだろうか。

ノ・ジェヒョン論説委員・文化専門記者

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    2013.06.04 15:28
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    イラスト=カン・イルグ。
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