【コラム】北核、中国国民は安全なのか(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2016.10.04 11:13
中国の官僚や学者は概して弁舌がすぐれている。北核をめぐる韓半島(朝鮮半島)、北東アジア情勢について(とても自由にとはいえないが)話す時、「意外とずばずば言う」という感じを受ける。だが、米国などの西側専門家たちとは違い、北核の非対称的安保脅威や北核施設に対する安全問題に言及するところは寡聞なためか取材現場ではあまり見ることはない。
先月28日、ソウル駅三洞(ヨクサムドン)韓国高等教育財団(事務総長パク・イングク)で開かれた中国の核・ミサイル専門家を招いた講演会。「安保ジレンマの中の韓中関係」をテーマに演壇に立った中国清華大の李彬教授が思いがけない話を取り出した。「北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)5Mwe原子炉安全状態が核兵器よりも危険で、事故が起きれば福島原発事故と同様の災難になる」という。2013年寧辺原子炉の再稼働を断行した北朝鮮が冷却塔(2008年の6カ国協議合意で爆破)の代わりに、周辺の川の水を引いてきて原子炉の熱を冷却しているが、これが非常に危険だという話だった。正しくろ過されていない川の水によって沈殿物が積もり、これが爆発する可能性があるという。2年前、問題をすでに一度起こしたという。福島原発放射能流出事故も冷却システムの故障から始まった。李教授はさらに深く言及した。「寧辺はソウルからは200キロ離れているが、中国からは100キロ離れている。主に北風が吹くことを勘案すれば事故発生時には中国民にも大きな被害がもたらされるだろう」と。あわせて韓中両国が寧辺の安全問題を共に議論する実務協議体を作ろうと提案した。