【中央時評】北朝鮮の市場化と非核化
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.06.12 10:17
最近の北朝鮮の変化を生き生きと物語る話がある。日本に漂流してきた北朝鮮の漁師と漁船を調査した日本の公務員は驚いたという。船長は自分で金を払ってその船を購入し、船員も自身が募集したとあくまでも主張したためだ。社会主義経済で漁船は国家所有であり、個人が他の人を雇用する行為は厳格に禁止されるものと知っていた公務員が問い質し続けたが彼の陳述は変わらなかった。結局北朝鮮経済専門家の説明を聞き疑問が解けた。漁船を国家機関に登録さえすれば個人で購入でき、船長が船員まで募集することは普通にあるということだ。
北朝鮮の地方高位官僚に会った外国公務員も驚いたという。協議することにしていた話は特に切り出さず、出張期間中は継続して金を稼ぐための事業の話ばかりしたという。制裁を回避し利潤マージンも高いアイテムさえ見つければ自分が直接やるとしてあれこれ事業の可能性を打診したという。その積極性を見ると世界で起業しようとする熱意が最も高い国は北朝鮮のようだとして笑った。それもそのはずで地方政府をはじめとして中央の財政支援を受けにくい機関は自力更生するほかない。機関所有企業を通じて各種事業を展開し、そこから生まれる収入で組織を運営し月給も払う。もちろん収入の相当部分は権力層の取り分だ。