【コラム】「人間安全保障国家」ビジョン(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.08.31 10:44
福島第一原発事故・被害という3・11モーメントは、日本の「この国の形」を根底から変えることになるだろう。
戦後、日本の復興と成長の中で形作られてきた「平和国家」ビジョンの不備が、原発危機に対する戦いの中で改めて浮き彫りにされた。それは一言で言えば、「安全保障国家」としての国家ビジョンの欠如であったといってよい。長い間、日本では国と国民の安全(と安心)にとって「最悪のシナリオ」を表で議論することを避けてきた。「最悪シナリオ」を語ることに対する忌避感のような空気が社会に立ちこめており、そのようなシナリオを起こさないようにすることこそ平和国家日本の役割である、という平和論が根強かった。