<Mr.ミリタリー>米空母が韓半島に集結すれば「軍事オプション」の兆候(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.10.13 10:02
空母打撃群の戦闘力はトマホークだけでない。4隻の空母にはF/A-18E/Fスーパーホーネット戦闘機も170機ほど搭載されている。英空母「クイーン・エリザベス」にも40機の垂直離着陸ステルス戦闘機F-35Bが搭載されている。米国も日本・岩国にある16機のF-35Bを大型輸送艦に載せて投入するとみられる。空母では戦闘機を30秒-1分に1機ずつ出撃でき、迅速な作戦遂行が可能だ。空母は東海と西海(ソヘ、黄海)上に布陣し、さまざまな方向から同時に作戦が可能だ。北朝鮮としては戦闘機の性能もそうだが機体に装着した空対空ミサイルも十分でなく、空母戦闘機の相手にならない。また空母の周囲のイージス艦には航空機迎撃ミサイルSM-2が100発以上も装填されている。特に空母戦闘機は電子戦機EA-6Bプラウラーとともに運営されるが、この電子戦機は周辺のすべてのレーダーと通信をまひさせる。したがってEA-6Bが先に北朝鮮上空に入ってレーダーと通信をかく乱すれば、F/18-E/Fなど戦闘機が後に続いて爆撃任務を遂行できる。
トランプ大統領が準備中の軍事オプションに参加する戦闘力のうち注目される艦艇は「ズムウォルト」(1万4564トン)ステルス駆逐艦だ。現在1隻が稼働している。この艦艇はそばで見るとサッカー場半分の大きさだが、ステルス機能のためレーダーでは200トン水準の小さな漁船ほどに見える。したがって北朝鮮がレーダーで探知するのは難しい。「ズムウォルト」はトマホークなどミサイルを80発まで搭載できる。口径155ミリ艦砲2門は154キロの距離の標的を50メートル以内の誤差で砲撃できる。この駆逐艦が北朝鮮の海岸に近づけば、北朝鮮の内部地域まで砲弾を撃ち込むことができる。米国防総省の報告書「アジア太平洋海洋安保戦略」(Asia-Pacific Maritime Security Strategy)によると、現在運営中の「ズムウォルト」1隻と今後建造される2隻の計3隻すべてを韓国に配備する方針だ。
米国が韓半島任務に空母を集中する背景には中国に対する牽制もある。中国が南シナ海で領有権を主張しているからだ。中国はスプラトリー諸島(南沙諸島)などの無人島に軍用滑走路を建設するなど影響力を拡大している。2025年以降は米国の艦艇が南シナ海に進入できないようにするのが中国の目標だ。中国が南シナ海を軍事的に統制するということだ。しかし南シナ海は韓国や日本など多くの海上物流量が通過する公海であるため、国際社会は中国の動きに反対している。米国も公海上の南シナ海は国際海洋法に基づき航行の自由が保障されるべきだという立場であり、周期的に艦艇を通過させている。