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【中央時評】追撃型社会から先導型社会へ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.11.29 12:06
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韓国はこの半世紀に超高速近代化を成し遂げた。天の時と地の利と人の和がすべてそろったため可能だった。第2次世界大戦後、IMF・GATT体制が本格的に稼働し始めた1950年代後半から世界貿易が速いペースで増え始め、特に64年から始まった「ケネディ・ラウンド」を通じて主要国の関税が約50%引き下げされたことで、工業製品の貿易比率が急速に増えることになった。50-98年の間、世界総生産は6.5倍増えたのに対し、世界貿易は48.7倍増え、64-98年の間に米国の輸入で工業製品が占める比率は40%から78%に増加した。戦後に独立した植民地がほとんど農産物と資源の輸出に依存する開発体制を整えていたのに対し、資源が乏しい韓国が輸出で成功できる時代的な状況が開かれたのだ。50年代から超高速成長を続けて世界2位の産業国に浮上した日本が、60年代に入り重化学工業を発展させ、労働集約的な製造加工業を近隣諸国に移転し始めたのは、地理的な利点だった。60-70年の間、日本の輸出で重化学工業の比率が47%から73%に増え、軽工業の比率が44%から21%に減り、台湾と韓国に工業化の空間が大きく開かれたのだ。

しかし経済は人がすることだ。植民地時代に定着した近代教育システムで企業を経営できる人材が養成され、解放後は李承晩(イ・スンマン)政権での初等教育の義務化と教育機会の拡大で単純製造業技術を容易に習得できる人材が大量に輩出された。さらに軍出身政治指導者の行政力、経済発展に対する強い意志、そして有能な官僚システムが韓国社会の潜在力を結集し、対外環境が提供する機会を十分に活用することで、また、生産可能人口の急増で、韓国経済は高度成長街道を走り、先進国を追撃してきた。

 
しかしその追撃はもう限界点に達した。韓国の産業生産、輸出、所得レベルは、我々が追撃してきた先進国レベルにほとんど到達している。生産可能人口は近く減り始める。先進制度と技術の模倣・導入で我々が成し遂げられる追撃型成長はこれ以上作動しにくく、自ら制度と技術を創意的に開発して生産性を高める分しか成長できなくなったのだ。世界経済と貿易は停滞状態に入り、韓国の位置づけも徐々に変わり、今はもう中国と周囲の新興国が韓国を急速に追撃している。今後、世界に前例がない速いペースの高齢化は、潜在成長率を持続的に低下させると予想される。

過去50年間にわたり韓国社会に固着した「追撃型システム」を、今後「先導型システム」に転換させていかなければ、さらなる国家発展を期待するのは難しい。まず高成長中毒症から抜け出し、安定した成長を追求していかなければならない。これ以上構造的に不可能な高成長と持続的な資産価値の上昇を国民が要求し、政治と政府が短期浮揚策を乱発すれば、結局、安定的な成長経路を抜け出し、未来の危険と負担を加重させることになる。「パリパリ(速く速く)」の習慣から抜け出し、基本をしっかりと固めることを重視する風土に変わらなければならない。焦りからは創意的な発想が育ちにくい。秩序・規則を守れば損をするという認識から、これを破れば損をするという認識が定着するよう、法の適用の日常的な厳格さと公正さが、そしてこれを後押しする政府の人材と権威が強化されなければならない。

結局、我々が頼れるのは人と制度だ。孟子は「天の時は地の利に如かず地の利は人の和に如かず」といった。人と制度の競争力が国家競争力を決める。家庭と社会、学校、職場がすべて教育の場だ。共同体に対する使命感と礼儀を備え、グローバル識見と専門性、寛容、創意性を備えた市民を社会が育て、制度の合理性と効率性を高めなければならない。既得権を崩壊、開放と競争の拡大を恐れてはいけない。国がうまく進んでいくには、保守政権が南北梗塞を解いて大陸の道を通し、進歩政権が開放を拡大し、海洋の道を広げて発展の機会を拡大していかなければならない。そして進歩、保守政権に関係なく韓国社会の制度革新を着実に推進していく必要がある。

韓国経済にまだ含まれている不動産、物価のバブルを取り除き、若者が家を用意して育児対策の絵を描くことができ、中年層が老後の生活の不安から抜け出してこそ、正常社会になり、持続的な発展の可能性が見える。各分野で既得権とコネでなく、実力と専門性によって競争する社会に確実に進んでいけるよう、我々の社会全般のシステム革新が必要だ。公正競争の秩序、雇用および人事評価制度、賃金体系、定年、年金制度、そして何よりもこれを推進できる国家支配構造の改編が起きてこそ、高齢化の沼に陥らず、いま韓国に近づいている停滞と墜落を避けることができる。

チョ・ユンジェ西江大教授・経済学

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