【コラム】韓国の50代、彼らが歌う悲しい歌(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.03.14 10:24
ベビーブーマー“末っ子”に当たる1963年生まれが今年で50代を迎える。1955~1963年生まれの人口集団を俗に“ベビーブーム世代”と呼んだことから、韓国の50代はベビーブーマー一色ということになる。ベビーブーマーの715万人、彼らこそがまさしく今回の大統領選挙で3%勝利を導いた作戦勢力(注)だ。株式市場における作戦勢力なら封じ込めなければならないところだが、大統領選挙における作戦勢力は執権党としてはありがたいことこの上ない心強い後援者だ。このため政権を覆したくて暗たんとしていた青壮年世代の視線が美しいはずがない。韓国の富と権威をすべて手中に収め、ソウル江南(カンナム)の高層アパートから江北(カンプク)の貧困層地域を見下ろしつつ、若者層をスペック(学歴・資格)戦争に追いやる彼らの高らかな勝ち戦の前に「痛いから青春なのだ」と叫んでみたところで、なんの反響もないことをひしひしと感じる今日この頃だ。
いいや、違う。3%勝利を作り出した作戦勢力は“50代保守の頭”全体ではなく、ベビーブーマー中下層に布陣した500万人だ。彼らは勝者ではなく敗者、非常に壮絶なルーザーたちだ。すでに退職しているか借金だらけのルーザー、加えて老両親・子女扶養という荷物をいっぱいに抱えている平凡な家長たちだ。不透明な未来、貧しい現実が与える不安心理が急進変革より漸進改革を選ばせたものの、その背景には朴正煕(パク・チョンヒ)時代に対する漠然とした懐かしさがある。勉強できなくても雇用がそこかしこにあったというその時代のぼんやりした記憶のことだ。