【時視各角】朴槿恵の手帳にはなぜ稲盛氏がいないのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.01 13:09
JAL再建の秘密は他にある。以下はライバル会社であり現場で見守った大韓航空日本支社の話だ。「核心は2つある。一つは悪性腫瘍の国内外赤字45路線をなくしたことだ。特に国内の田舎路線には選挙区の国会議員の圧力が強かった。手もつけられない聖域だった。ところが稲盛氏はすべてなくした。国会議員は誰も何も言えなかった」。稲盛氏のカリスマに触れれば自分の政治生命が終わるかもしれないからだ。「もう一つの秘密は労組だ。JALは労組天国だった。複数の貴族労組が8つも君臨し、天下り経営陣をもてあそんだ。操縦士は飛行時間に関係なく高い固定年俸を受けた。退職年金はそれ以上だ。JALの退職給付引当金の負債は10兆ウォンにもなった。大韓航空の10倍だ。米国のGMが滅びた道をそのまま踏襲した。稲盛氏はその退職年金を30%も削った。また社内のクリーニング店をなくし、乗務員が直接ユニフォームを家で洗濯して着るようにした。JAL労組は珍しく黙って従った」。
稲盛氏はこうした難題を無報酬で解決した。自ら無報酬を要望した。高年俸ばかり追いかける韓国の天下り人事と違う。稲盛氏は当初、「毎週2日だけ東京に行く」と述べた。しかし80歳代の老躯で毎日、京都と東京の500キロを往復し、全身を捧げた。稲盛氏はJALを離れながら「正面から問題の本質に取り組むと必ず道は開かれる」という素晴らしい言葉を残した。