【社説】観光都市・済州を傷つける空港のタクシー
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.03.20 17:29
済州(チェジュ)の関門である済州国際空港で、10年間にわたり長距離運行を独占してきた暴力団型タクシー運転手グループが警察に摘発された。警察によると、彼らは他のタクシーの運転手に暴力を加えて長距離運行権を独占し、乗客から不当な料金を受けてきたことが明らかになった。このため済州国際空港で長距離タクシーを利用する国内外の乗客はメーター器の料金ではなく、3万-4万ウォン(約3000円)のいわゆる定額料金を強制的に負担しなければならなかった。これは観光済州のイメージをひどく傷つけている。
暴力団型運転手グループは不当料金で観光客に被害を与えたほか、同僚タクシー運転手の営業を妨害し、これを取り締まる警察にゴルフクラブを持って反抗したりもした。内部では組織員綱領を作り、運転手に特定観光事業場や飲食店から斡旋費を受けさせ、法律違反行為の罰金と暴力行為の合意金を共同負担してきた。暴力団にも劣らない組織的な犯罪活動だ。司法当局はこうした犯罪組織がこれ以上存在しないように一罰百戒しなければならない。済州自治道はこうした組織的な違法営業が二度と出てこないように監視を続ける必要がある。
実際、東南アジアなどに比べて価格競争力が劣るにもかかわらず、国内の観光客が済州を訪れる理由は、美しい自然景観や観光インフラとともに安全で信頼できるという長所ためだ。済州自治道は、一部のタクシー運転手のために安全性、信頼性、便利性という利点を一斉に失ってしまうという点を銘記しなければならない。今回の事件を、単に違法営業・暴力組織を取り締まって済ますのではなく、交通環境など道内の観光システムを再点検する契機にしてほしい。