【コラム】夜に強い大統領を探しています=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.03.27 14:37
1986年2月、ソウル大学で起きたデモの途中に連行された大学生数十人が警察の取り調べを受けた。取材の過程で調書を見ると、一様に「独裁政権打倒など掛け声を3回叫んだ者」と書かれており、「大したことではないのでまもなく訓戒されるだろう」と伝えられた。学生たちの顔は明るくなった。しかし、意外にも検察は拘束令状を請求し、裁判所は一様に令状を発行した。暴力を振り回したことでも、国家を転覆したことでもなかったし、若い良心に従って言うべき事は言っただけなのに懲罰したわけだ。法治と多元主義の価値が冷え込んだ過酷な冬だった。
2017年の春はその年の冬とはまったく違う。異常な権力に対する批判を大学生だけに任せず、老若男女1600万人がろうそくを手にして大統領の退陣を叫んだが、誰も捕まえられたりはしなかった。国政壟断の主犯である元大統領の朴槿恵(パク・クネ)氏は憲法が定めた手続きに沿って罷免された。3年が過ぎるまで孟骨(メンゴル)水道に水葬されていたセウォル号は弾劾直後、水面の上に上がってきた。不正や野蛮の時代に弔鐘が鳴るやいなや、正義と理性の荘厳な歴史が繰り広げられている。