【コラム】韓中同盟は可能なのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.15 08:43
王義ウェイの韓中同盟論のアプローチは用語使用の面でより柔軟だ。王義ウェイは中国がパートナー関係より強化された概念である善隣友好協力条約を利用し、周辺国外交を強化するべきだと話す。中国は北側はロシア、西側はパキスタン、南側はASEAN、東側は韓国と善隣友好協力条約を締結する必要があるということだ。韓国と善隣条約を結ぶべき理由は3つある。一つ目、韓半島(朝鮮半島)は歴史的に中国の安保保護対象だった。二つ目、北朝鮮に圧力を加えるのに役立つ。三つ目、韓米同盟はそれほど堅固でなく、食い込む余地があるということだ。統一された韓半島が中国的な秩序に復帰することを望むという彼の見解からは、中華思想の片鱗も見える。
こうした主張をどのように見るべきか。まだ中国学界の主流ではない。閻学通の主張に基づいて中国外交が進むには前途が長い。まず中国外交の根幹であるパートナー外交から変えなければならない。容易ではないことだ。2008年に李明博(イ・ミョンバク)大統領が中国を訪問した当時、中国外交部報道官は「韓米同盟は旧時代の遺物」とし、同盟政策に反感を表した記憶が鮮明だ。このため王義ウェイは同盟という言葉の代わりに善隣条約を主張するが、彼が話す「善隣」という用語の背景には中華中心主義が濃厚に敷かれている。
では、彼らの主張を中国学界の一部から出た実現の可能性がないアイデア程度と見なしてよいのか。それで済むような感じではない。同盟や善隣条約を云々する中国の真の意図は「米国の懐から韓国を引き出す」だ。中国は自国の浮上の最も大きな障害物に米国を想定している。中国と周辺国の間に生じるすべての紛糾の背後に米国があるとみている。したがって米国を弱化させるあらゆる方法を考えている。その一つが韓中同盟論だ。キム・フンギュ教授はこうした中国の戦略を「試し」と表現する。中国は今後も米中競争時代に備え、韓国を自国側に立たせる多様な戦略を駆使するだろう。試してみるのは中国の自由だ。そしてこれに動くかどうかの我々にかかっている。
ユ・サンチョル中国専門記者
【コラム】韓中同盟は可能なのか(1)