財界は今年の経済がいつになく厳しいと予想する。ここで落ち込まないために重要なことは突破口だ。１０大グループ主力系列会社の最高経営責任者（ＣＥＯ）も不況の高波を抜け出す妙手を探すのに苦心している。ＩＴ、自動車、石油化学、造船、流通、建設などを網羅した「最高の社長」らが中央日報の質問を通じ業種別の風向きと危機突破法を明らかにした。

サムスン電子の権五鉉（クォン・オヒョン）副会長（６４）は「組織文化」をさらに柔軟に変えアイデア発散の場にすると構想している。ＩＴ業界の今年の話題が「激しい技術競争」と「新市場開拓」と予想されるだけにアイデアを通じて差別化した製品が競争力を左右するという判断からだ。

現代自動車の李元熙（イ・ウォンヒ）社長（５６）は、「生産・運営効率性が重要だ」と強調した。李社長は「グローバル低成長が長期化し無理な成長よりは原価競争力のような基本を固めなければならない」と話した。長期間の体力戦のために根本から見直すという戦略は石油化学業界も同じだった。ハンファケミカルの金昌範（キム・チャンボム）代表（６１）は、「原油安で石油会社・石油化学企業間の競争構図が変わっている。研究開発強化による基本技術確保と高付加価値製品で敵対的変数を乗り切っていく」と話した。

突発状況に備えて瞬発力を育てなければならないという声も出てきた。中東呼吸器症候群（ＭＥＲＳ）と世界的不況で試練を体験した大韓航空の智昌薫（チ・チャンフン）総括社長（６３）は「航空業界の場合、原油安基調と主要国の通貨政策の不確実性が最大の課題。非常経営計画などで速やかに対応する方針」と話した。

必ずしも「守城」だけにとどまってはいない。このような時であるほど積極的に新需要を創出するという逆発想も多かった。ＫＴの林憲文（イム・ホンムン）社長（５６）は、「新興国より高い国家信用度を背に新市場開拓を積極的に試みたい」と抱負を明らかにした。ロッテ百貨店の李元濬（イ・ウォンジュン）代表（６０）は、「急変する顧客のニーズに合わせ最近一山（イルサン）ＫＩＮＴＥＸで展示場での貸館販売などを試みた。低成長の流れの中で顧客分析を通じオフライン側の営業競争力を高めたい」と話した。

企業の努力とは別途に政策面で「製造業再認識」を注文する声も出された。

現代自動車の李元熙社長は「自動車業界は収益性悪化だけでなく、（エコカーやスマートカーなど）産業構造変革が同時に進行している状況。世界的な低成長過程で先進国と新興国の政府ともに製造業育成への政策支援を惜しまない」と話した。ＧＳ建設の林炳ヨン（イム・ビョンヨン）社長も「製造業がハイテク産業に転換しなければならない時点だ」としながら政府の財政支援と規制緩和を要請した。ＬＧ電子の鄭道鉉（チョン・ドヒョン）代表（５９）は、「危機を打開するために各経済主導者がコンセンサス（共感）を持つことが重要だ」と強調した。

ＣＥＯが懸念する経営の敵対的変数は大きく２つに圧縮された。まず「米国の金利引き上げ」は李元熙現代自動車社長、鄭道鉉ＬＧ電子代表、金昌範ハンファケミカル代表ら５人が懸念する。


「不況であるほど製造業に集中…国家信用度を背景に市場開拓」＝韓国（２）