韓国人の平均寿命の延びとともに韓国国家の負債が急増している。韓国政府が軍人・公務員に支給しなければならない年金支給額が増えたためだ。企画財政部は９日、中央政府の財務諸表上の負債額が昨年９０２兆４０００億ウォン（約７８兆５９９０億円）で、１年前よりも１２９兆９０００億ウォン（約１１兆３１４３億円）増加したと明らかにした。わずか１年間で１６．６％の増加だ。

国家負債の急増には、軍人・公務員に支給しなければならない年金負担が主な役割を果たした。これは政府が、年金を現時点で支給する金額基準として計算した方式で、受給者の月給が上がり寿命が延びる部分まで反映させた、いわゆる「発生主義会計」を適用した結果だ。この方式は、今すぐには出費しないけれども未来に出て行くほかのないお金は、結局は負債だと見る会計方式だ。低金利も年金充当負債を増加させた要因だ。金利が低いほど現在値で換算した負債の負担が大きくなるためだ。

こうした基準で２０１１年からの中央政府財務諸表を作成すると、隠れていた国家債務が現実化し、２０１０年に３９２兆２０００億ウォン（約３４兆１２１４億円）だった国家負債は２０１１年には７７３兆５０００億ウォン（約６７兆２９４５億円）に急増した。５年ごとに統計庁が発表する新しい生命表を適用してみると、年金支給期間とお金がともに急増したからだ。６０歳男性の余命は平均５．４歳延びた。この結果、軍人・公務員に追加で支給しなければならない年金充当負債が９４兆８０００億ウォン（約８兆２４７６億円）も増えた。ここで国・公債や借入れ金が２３兆２０００億ウォン（約２兆１８４億円）増加して金利が低くなり１年間で帳簿上の負債が１２８兆９０００億ウォン（約１１兆２１４３億円）も増えた。財務諸表上の中央政府負債の国内総生産（ＧＤＰ）対比比率は７０．９％に達する。これは米国・英国・フランスよりは低いが、カナダ・豪州よりは高い水準だ。

一方、現在の残額基準として計算した一般的な意味での国家財政法上の国家負債は中央政府（４２５兆１０００億ウォン、約３７兆２６２億円）と地方政府（１８兆７０００億ウォン、約１兆６２８７億円）の負債を合わせて１年前より２３兆３０００億ウォン（約２兆１８４億円）増加の４４３兆８０００億ウォン（約３８兆６５４９億円）と集計された。ＧＤＰ対比比率は１年前より０．９％ポイント増加した３４．９％を記録した。