【コラム】習近平、トランプに何の話をしたのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.21 09:50
習近平中国国家主席が最近、米中首脳会議でドナルド・トランプ米国大統領に言ったと報じられた「コリアは事実上、中国の一部だった(Korea actually used to be part of China)」という話には、実は驚きもしていない。韓中関係を「我田引水」式に解釈する中国人・台湾人が珍しくないからだ。『素顔の中国史』全5冊を著述した台湾歴史学者の柏楊は「中国は韓半島(朝鮮半島)を外侵から守ろうとして途方もない損失をこうむったが、何の請求書も突きつけなかった」として歴史的善意を強調する。
柏楊の言葉通り、明は壬辰倭乱・丁酉災乱(文禄・慶長の役)の時に派兵したことで財政難に直面し、ついに李自成の乱で王朝が倒され、結局満洲族に占領されたのが事実だ。満洲族の清は1840~1842年と1856~1860年の2度にわたるアヘン戦争で敗北し、西欧勢力の侵奪を余儀なくされ、1895年の日清戦争で決定的な打撃を受けて自尊心に傷まで負った。多くの中国人が経済成長と軍事力増強をへし折られた自尊心を回復する過程だと認識しているというのは広く知られた事実だ。
事実、国際政治学的な視点で見ると、明と清の派兵を善意とみるのは難しい。実状は中国が歴史的に韓半島(朝鮮半島)を「脣亡歯寒(協力関係にあるが、一方が滅びると一方も危うくなる)」関係と認識していたためだと思われる。1950年に韓国戦争(朝鮮戦争)を起こした北朝鮮が仁川(インチョン)上陸作戦で存亡危機に陥ると、建国から1年余りしか経っていない中華人民共和国が韓半島に派兵したのも同じ脈絡だと理解することができる。新生・中国が自身と対抗する国家や勢力と国境を接するまいとして無理やり軍隊を送り込んだということだ。中国が韓半島の平和と安定が自国の核心利益として現状維持を強調し続けてきたのも同じ線上と見てよいだろう。