朴正熙、金日成を抑えたが…「魔法の北核」で南北競争を再開(1)

朴正熙、金日成を抑えたが…「魔法の北核」で南北競争を再開(1)

2017年10月12日15時39分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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南北体制競争のシーズン2
  「朴正熙(パク・ジョンヒ)誕生100周年」が近づいている。彼の人生は激烈な叙事だ。いくつかの想念を生む。彼の娘の悲劇的な状況は浮き立つ。北朝鮮の核挑発は彼の時代を思い出させる。1970年代、在韓米軍は撤収しようとした。朴正熙大統領は核兵器開発に動いた。それは自主国防決断の頂点だった。米国はブレーキをかけた。彼の野望は挫折した。

  朴正熙と金日成(キム・イルソン)主席の対決は激しかった。朴正熙の産業化は国家的貧困を追い出した。北朝鮮の自力更正経済は墜落した。その時期、維新独裁の苦痛と暗闇があった。しかし南北の体制競争は朴正熙の圧勝だった。1979年10月26日、彼は歴史の中に消えた。その38年後、金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長の北朝鮮は核武装国として登場した。金日成主席の33歳の孫の成就だ。

  南北の経済・文化力の差は非常に大きい。韓国が圧倒的に優位だ(GDPは北朝鮮の45倍)。韓国は自由で豊かだ。歴史の正統性も掌握した。南北の対峙は波乱だ。その曲折のドラマは終わるかと思われた。韓国主導の吸収統一論に向かうようだった。しかしその風景は性急な祝杯だった。2017年の北朝鮮の反撃は巨大で絶妙だ。大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射、そして6回目の核実験の成功(9月3日)。その武力示威で南北の状況は一気に混迷した。

  核兵器は「神の一手」だ。その怪力が南北の優劣と格差をもつれさせた。北朝鮮の脅迫は険悪だ。「南朝鮮が廃墟になるかもしれない」。その場面は魔法の絶対武器が成し遂げた大反転だ。それは南北版図の再構成を意味する。康仁徳(カン・インドク)元統一部長官の診断は実感がわく。「国力は経済力と軍事力、政治・社会的団結力を合わせたものだ。北の核武装と韓国社会の分裂が奇襲的に南北競争の再開を許した」。

  どのようにこうした状況になったのか。目を開けたままやられたのだ。ヤン・ウク国防安保フォーラム研究委員は「第2の南北競争が始まり、我々は戦略的不利を認めなければいけない」と述べた。その中には誤った判断と無能、怠惰と卑怯というものが混ざっている。その歳月は長かった。91年は韓半島(朝鮮半島)情勢の転換期だ。米軍戦術核兵器の撤収、韓半島非核化宣言(盧泰愚大統領)があった。それで韓国は核兵器と決別した。そこには非核化の模範に北朝鮮も従うだろうという期待があった。

  当時、ソ連の崩壊、韓中国交正常化があった。平壌(ピョンヤン)指導部は危機に追い込まれた。彼らの脱出口の摸索は激しかった。切実になれば道が開かれる。彼らはふと核の魔力を悟った。「核兵器は魔法、状況を覆す神の一手だ」。彼らはそこに力と執念を注いだ。それからの26年間、平壌の核保有意志は鮮明であり隠密だった。

  北朝鮮の外交はあざとい。奇襲と予測不可能、トリックと瀬戸際戦術を交互に結びつける。その術策に米国はやられた。ジュネーブ交渉の米国代表ロバート・ガルーチの告白は衝撃だ(2014年)。「1994年の核凍結合意当時、我々は北朝鮮について知らなかったし、今も同じだ」。米国の関係者らの無知は致命的な負担だ。クリストファー・ヒル(国務省次官補)と金桂冠(キム・ケグァン)(外務次官)の交渉は2006年からあった。ヒルは有力な交渉家だった。しかし老練な金桂冠に惨敗した。それで金融制裁があえなく解けた。BDA(バンコ・デルタ・アジア銀行)口座に金正日(キム・ジョンイル)総書記の統治資金が隠れていた。トランプ大統領の自責は苦々しい。「北朝鮮との合意はインクが乾く前に毀損され、米国の交渉家を馬鹿にした」。

  北朝鮮のイメージは孤立、ならず者、人権じゅうりんだ。汚名と嘲笑の中で彼らは神の一手にまい進した。2014年、核開発の責任者、全秉浩(チョン・ビョンホ、軍需工業担当書記)が死去した。葬儀は国葬だった。北朝鮮のテレビはこのように紹介した。「祖国を人工地球衛星製作・打ち上げ国、核保有国に転変させるのに突出した貢献をした」。転変は科学優待政策の産物だ。それは今の韓国の風土と比較される。脱原発は原子力科学者の鬱憤と落胆を呼んだ。原発の輸出は韓国科学者の技術の勝利だ。

  北朝鮮の成就は韓国の挫折だ。太陽と包容、圧力と牽制。進歩・保守政権ともに北核を防げなかった。闘志も戦略的感受性も不足した。金大中(キム・デジュン)-金正日会談は和解の象徴だ。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権はその流れを引き継いだ。しかし北朝鮮の核への野心は拡張した。李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権当時、北朝鮮の崩壊の可能性が広まった。「統一は泥棒のようにくる」(李明博)、「統一はテバク(bonanza、大もうけ/大当たり)」(朴槿恵)はぜいたくな気勢だった。安易と自慢が絡んだ26年。それが今日の北朝鮮の反撃を許した。

  韓国の狼狽は何のためか。根本要因は安保の主人意識欠乏だ。韓国は在韓米国に依存する。長い間の恩恵は暗い影を作った。それは米国の核の傘への依存と高みの見物だ。その心理は自らを辺境の従属変数に設定する。安保不感症は根が深い。見物人の心理が強まる。北核危機は以前からある。そのたびに対応と分析は緻密でなかった。韓国の国防費(約395億ドル)は北朝鮮の5倍だ(韓半島先進化財団報告書)。しかし危機対処能力は不十分だった。国防主役姿勢の不足のためだ。核・ミサイルの開発初期は体制防御用だ。しかし核は自ら繁殖する。ICBM段階では悪性進化する。金正恩の核は恐怖の攻撃装備だ。政権生存の自衛用という認識は破産した。北朝鮮は「我々の核抑止力は祖国統一の偉業を操り上げる万能の宝剣」という。赤化統一の破壊的道具になった。

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