【時論】教育に進歩-保守の区分はない=韓国(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.10 14:27
妥協を知らない我々の社会の進歩と保守の対立が教育界に浸透し、子どもの足かせとなってはいけない。数人の教育監が当選後に述べたように、教育には進歩と保守の区分などあり得ない。成長する世代は個性が強調される多元化された世界に暮らしている。特定の理念を教えるからといって植え付けられるわけでもなく、人間性を教える教科目を設置するからといって共同体の意識が育成されるわけでもない。子どもに必要なのは健全な討論と協力の教育環境だ。討論と協力学習は自分の価値を作って修正し、より良い意見に承服し、異なる意見との間で合意に到達する訓練を可能にする。自分の声が教育環境で生きて呼吸するのを確認する時、子どもは公教育を信頼することになり、共同体の意識が自然に内面化し、健康な進歩と健康な保守が育ち、社会に活力を吹き込むことになるだろう。
討論と協力学習の必要性は保守と進歩を越えて共感帯が形成されたとみられる。現政権の夢と才能を生かす教育が目指す教育にも含まれていて、進歩教育監の革新学校に関連した公約にも出てくる。新しい時代が要求する教育方向が与野党を問わず鮮明であるにもかかわらず、越えるべき障害物は幾つかある。優秀性に対する画一的な概念が変わらなければならない。多くの情報を記憶し、ミスなく機械的な計算をやり遂げるのが優秀だという伝統的な人材像は、今日の多元化された時代、すでに時効が過ぎたからだ。子どもを教科目の洪水から救うべきであり、従来の教師養成体系を新しい教育理念に合うよう再整備する必要がある。討論と協力学習を可能にする環境を作るには、それに必要な教育財政も見直さなければならない。これらすべては与野党の協力を要求する。理念的な対立のため時代が要求する普遍的な指標が薄れないことを望む。たとえ大人の世代は共同体的な価値を模範的な実践で教えられないとしても、子どもが自ら未来の価値を創出していく教育環境は作るべきではないだろうか。
キム・ギヒョン・ソウル大教授・哲学