【時論】教育に進歩-保守の区分はない=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.10 14:27
貧困から抜け出そうという大変な努力は数字上の成果を上げ、韓国が先進国に仲間入りしたという錯視を起こした。その甘みに陶酔し、無限競争とそれによる利己的人間で形成される環境はやむを得ない副作用という程度に考え、意識の奥深くにしまい込んだ。少し厚くなった財布を触り、あえて否定的な社会現象に目を背ける頃に発生したセウォル号沈没事故は、我々の素顔をそのまま表し、韓国社会の弊害が広く深く存在していることを見せた。
幼い生徒の犠牲が無駄にならないよう、二度とこういうことが起きないように、何を正すべきかという議論があふれている。罪のない若者を被害者にした加害者は、我々の社会全体であることが明らかになった。政府は事故の対処に無能だったと批判を受け、公組織と私組織の野合がいわゆる官僚マフィアという名前で非難され、欲で目がくらんだ私企業の運営形態が俎上に載せられ、事故現場の職員の倫理が冷笑の対象となっている。組織と制度上にいかなる問題があるかを今回、深々と省察し、正していかなければならない。しかしその根本には共同体意識の不在という暗い影があることを忘れてはいけない。手段と方法を問わず個人の利益と栄達を追求する貪欲的な人間像が支配する社会では、他人への配慮はやめても義務と原則は遵守するような最小限の共同体的な価値も定着しない。