「粒子状物質中国のせい」疑うも…基本的なデータも揃えられない韓国政府
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.21 08:53
節気上穀雨である20日、南部地方を中心に雨が降ったのに全国の粒子状物質(PM10)の濃度は「悪い」を記録した。市民は「雨が晴れた後でも青く澄んだ空を見るのは難しいのではないのか」と言ってため息をついた。韓国国立環境科学院大気質統合予報センターによれば今年1~3月PM2.5の平均濃度(32マイクログラム/立方メートル)は過去3年間で最も悪かった。先月、環境部は韓国内の粒子状物質の「国外影響」が最大86%に達したという分析報告書を出し、事実上中国が原因だとみなした。これまで環境部は中国発の粒子状物質の影響が平常時には30~50%、高濃度で激しい時は60~80%だと明らかにしてきた。
問題は中国の責任だとみなすことができる根拠が足りないというところにある。チャン・ジェヨン亜洲(アジュ)大学予防医学科教授兼環境運動連合代表は「中国のせいという政府の根拠は『西風が吹いたら濃度が高まった』という形」とし、「このような形で中国に抗議すれば国際的恥さらし」と話した。韓国と中国は2014年「環境協力に関する了解覚書」を締結して共同研究を行ったが、中国内の粒子状物質発生程度を確認する水準に留まった。
環境部は研究結果も公開していない。中国の粒子状物質がどのように韓半島(朝鮮半島)に到達するのか把握するには多様なデータが必要だ。中国の工場の位置、自動車燃料と排気ガス、零細食堂の汚染排出係数などだ。中国の学者はすでに数十年前から中国全域の粒子状物質拡散程度を研究して国際学術誌に論文を出しているが、韓国学界の研究水準はここに至っていない。韓国内の発生要因に対する研究結果が国際学術誌に掲載されたことも殆どない。