シェフの多くは食材のためにメニューを変更する。新鮮な季節の食材に合う料理を出そうとするためだ。しかし２～３カ月に１回ずつメニューを変えるというレストラン「スワニエ」の総括シェフのイ・ジュン氏は、意外なことに食材について「特に重要とは考えない」と話した。

「ニューヨークでいう“ローカル”の概念は韓国より広い」とし「あえて早朝の市場で買い物したり産地から直送させたりしないと良い材料を手に入らないというわけではない」と話した。

イ氏はむしろ食材間の相性のほうが重要だと考える。例えば、パスタは麺と料理のキャラクターがマッチしなくてはならない。スワニエですべてのパスタを手作りしているのもこのためだという。彼によると、生麺は噛むほどに麺そのものの味が感じられるため、強いソースとの相性は良くない。薄いパスタ麺は液体になったソースと、厚目のパスタ麺は濃いソースとの相性が良く、チューブ型は具入りのソースとよく合うという。

次のレシピはイ氏が提案する３種類の食材を使ったものだ。

◆サムギョプサルのサムジャンソース添え

１、サムギョプサル（豚の三枚肉）ひとかたまりに塩コショウで下味をつけた後、油をひいたフライパンに１分間ほど表面を焼いてこげ色をつけた後、水にハチミツとサムジャン少々を溶いたソースに入れてじっくりと３時間煮込む。

２、生クリームと牛乳を半分ずつ混ぜたソースに粒わけしたとうもろこしまたはスイートコーンを入れてとろとろになるまで煮込んだ後バターを溶かす。

３、オリーブオイルをひいたフライパンにスライスした唐辛子とニンニクを入れて色が出ないように炒めた後、強火に切り替え、きれいに洗って適当な大きさに切ったケールを入れて水気がなくなるまで炒めて塩味をつける。

４、皿にとうもろこしを盛りつけ、３のケールで覆った後、１センチの厚みに切った１のサムギョプサルを載せて２のソースを回しかける。

◆長ネギサラダ

１、グリルで焼いた長ネギをオリーブオイルと一緒にぬるめの塩水（塩加減は控えめ）に入れて３０分間ねかせる。

２、長ネギを冷ました後、芯の部分によく洗った貝の塩辛（チョゲジョッ）を入れる。

３、マスカルポーネチーズの上に長ネギとルッコラを盛りつけ、塩漬けにしたあと乾燥させた卵黄をのせる。

◆ロブスターのキムチリゾット

１、ロブスターは沸騰させた湯に２分間ゆでたあと、殻と肉を分離する。

２、稗（ひえ）は油でゆっくり炒め、チキンスープを入れて弱火で芯が若干残るまで煮込む。

３、２にロブスターの内蔵を入れて一緒に炒め、細かく切ったキムチを入れて煮込む。

４、ロブスターの肉の部分をバターで軽く炒めた後、完成した３のリゾットの上にのせる。