「叩かれても文政権と韓国社会の問題点は正したい」…武藤元駐韓日本大使

「叩かれても文政権と韓国社会の問題点は正したい」…武藤元駐韓日本大使

2017年07月15日14時08分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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武藤正敏元駐韓日本大使
  「タイトルが少し刺激的に過ぎたとも正直感じてはいる。(タイトルで踏み込んだことで)私自身ダメージを受けたが、それでも文政権のありようや韓国社会の問題点は訴えておきたかった」。

  5月に『韓国人に生まれなくてよかった』というタイトルの著書を日本で出し、嫌韓という批判を受けている武藤正敏元駐韓日本大使(69)が14日、日本インターネットメディア「ニュースソクラ」のインタビューでこのように語った。

  ニュースソクラは芸能とゴシップニュースを排除した正統ニュース報道を標ぼうするインターネットメディアで、日本経済新聞の元記者、土屋直也氏が2014年にサイトを開設した。この日のインタビューも土屋編集長本人が行った。土屋編集長は「韓国のバッシングを予想しながらも本を出した真意を(武藤元大使に)尋ねた」と語った。

  2010年8月から2年2カ月間にわたり駐韓日本大使として在任した武藤氏は、韓国で計12年間勤務した韓国通だ。

  武藤氏は「武藤元駐韓大使、『嫌韓本』批判に反論」と題したインタビュー記事で、韓国メディアの反応について「見出しはほとんどが『嫌韓本』というトーンだったが、記事のなかでは冷静に内容を紹介してくれたところも多かった」とし「保守系の方々からはタイトルは刺激的だが、内容は納得できるものだという声もあった」と述べた。

  この本を韓国語で翻訳したいという提案も3件あったが、すべて断ったという。武藤氏はその理由を「冷静に読んでもらえないことが分かっているから」と語った。

  「この本の内容は、嫌韓派ではなく、ごくごく一般的な日本人からの視点を意識してまとめている。しかし文在寅政権が80%以上もの支持を得ている今、特に若い世代は読まずに嫌韓と反応しだす。韓国社会全体としても本を出せば『けしからん』という反応になることは明らかだ」。続いて武藤氏「タイトルが少し刺激的に過ぎたとも正直感じてはいる」と話した。

  武藤氏は7日に行われた韓日首脳会談と韓中・韓米首脳会談については「よく発言を分析すれば、新大統領の最大の関心事は北朝鮮問題」とし「韓国が主導権を取り、対話路線で北朝鮮問題を解決すると、各国首脳に伝えた。安倍首相、トランプ米大統領、習近平中国国家主席のいずれに対しても、対立は避けながら、北朝鮮との対話路線を主張した」と述べた。

  武藤氏は「対話で北朝鮮の核・ミサイル開発を止めることができないのは過去20年の経緯から明らか」とし「しかし文在寅大統領は本気で言っている。少なくとも中国とロシアは対話路線の方が都合いいと思ったのかもしれない」と北朝鮮との対話に懐疑的な立場を表した。また「文政権の対話路線で、北朝鮮に圧力をかけていこうというムードが殺がれている。トランプ大統領がどう出るかが焦点」と話した。

  平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック(五輪)の南北共同開催についても意見を述べた。「現実感のなさには驚かされる。都鍾煥(ド・ジョンファン)文化体育観光長官は来年の平昌冬季五輪のスキー競技の一部を北朝鮮のスキー場で行う案を明らかにした。兄を毒ガスで殺すような人物が治める国に、世界一流のアスリートと世界のメディアを入れ、各国の応援団も入れ、そこから全世界に生中継しようということ」。武藤氏は、国際オリンピック委員会(IOC)も北朝鮮もこのようなカードを受け入れないことを知りながら文在寅政権がこれを提案していると話した。

  武藤氏は「経済政策、財閥改革、南北統一政策、文在寅政権の政策にはいずれも現実感がない。一人あたりGDPや有効求人倍率が日本より低いのに最低賃金を東京以上に上げるなど、経済を知っていればありえない」と述べた。「韓国国内でそのような指摘はないのか」という質問に対し、武藤氏は「文在寅がすべて正しく、朴槿恵がすべて間違っているという『感情』が今、韓国を動かしている。文大統領自身も外交をうまくやっていると確信しているように見える」と話した。

  武藤氏は今後の韓半島(朝鮮半島)に対する懸念を表した。「文在寅大統領の対北朝鮮対話路線が世界の流れになってしまうことを恐れている。その兆候はすでに出ている。肝心の米国がそちらの方向に向かっているのではないかと思わせるサインを、マティス国防長官の発言などから感じている」。

  「文在寅外交が対話を推し進めるなか、北朝鮮が核実験をすれば、対話路線は失敗となるのでは」という質問に、武藤氏は「一時的には北朝鮮を批判しても、文政権は対話路線を変えないだろう。ある種の信念を持ってやっている」と答えた。また、国家情報院長に過去2回の南北首脳会談を仕切った徐勲(ソ・フン)元国家情報院第3次長を、青瓦台秘書室長には左翼学生運動の元議長で国会議員の任鍾ソク(イム・ジョンソク)氏を選んだのを見ると、今回の人事でも対北朝鮮対話路線に対する大統領の強い意志が分かる、と話した。武藤氏は「この2人のほか(文大統領の周囲は)どの人も対話派ばかりであり、文政権は安倍政権以上に『お友達内閣』」と指摘した。

  武藤氏は「仮に核実験があっても文大統領は『外交的に成功している』と主張するだろうし、外交面で大統領を批判する大きな流れは起きないと思う」とし「文在寅政権が崩れるとしたら、最大の要因は経済か、もしくは北朝鮮を統合する負担が大きいと分かったとき」と述べた。対北朝鮮対話路線に対する反発のために文在寅政権が崩壊する可能性は極めて低いという立場だ。

  武藤氏は、北朝鮮の核・ミサイル問題の解決は結局、米国と中国が北朝鮮の未来ビジョンをどのように共有するかにかかっているという見方を示した。武藤氏は「両国がビジョンを共有すれば、その際には日本も韓国も蚊帳の外になるだろう」とし「それは文在寅大統領が最も嫌う状況」と話した。
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