余裕を持って旅行時期を選べる飛行機の利用客は今後、チケットの購入を急ぐ必要がないかもしれない。航空会社間の競争が激しくなる中、価格を下げた特価航空券のセールイベンドが常時行われているためだ。

競争を触発させたのは中東系の航空会社だ。今年９月に最低８０万ウォン（約７万４７００円）台の破格的な価格で欧州往復航空券を販売したカタール航空は、今月に入っても全路線のチケット価格を２０％割引して販売した。今回も税金と燃料サーチャージを含めてデンマークのコペンハーゲン往復航空券が最低１００万８９３０ウォン、トルコのイスタンブール往復航空券が１０３万６５１０ウォンという競争力のある価格で販売された。この航空会社は先月にもビジネスクラスの航空券２枚を購入すると１枚を無料で提供するイベントを進めた。価格もパリ往復１９０万ウォン、モルディブ往復１５０万ウォンの水準だった。

アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のアブダビを拠点とするエティハド航空も今月初め、一時的にイスタンブール、スイスのジュネーブ、イタリアのミラノの往復航空券を総額基準最低８０万ウォン台で販売するなど１０本の人気路線を値下げした。ＵＡＥドバイ所在の国営航空社エミレーツ航空も１３日までに主要路線価格を最大１５％割引して販売した。中東界航空会社はほとんど国営航空社で、あふれる「オイルダラー」で手堅く武装しており、こうした破格割引セールも可能だというのが業界の分析だ。

もちろんほかの航空会社も見物だけに甘んじているのではない。ブリティッシュ・エアウェイズは２２日までエコノミー・プレミアムエコノミー・ビジネスクラスの３種の欧州往復航空券を総額基準最低１１４万２２００（エコノミー）～２７７万９４００ウォン（ビジネス）で販売する。ガルーダインドネシア航空は「ホームグラウンド」であるインドネシアのジャカルタとバリ行き航空券に限り、常時割引セールを行っている。今月もジャカルタ往復航空券を総額４８万１８００ウォンで売っている。香港のキャセイパシフィックは１４日午前１０時まで、シンガポールなど東南アジアの主な地域８カ所へ行く往復航空券を割引販売する。エコノミーの場合、総額基準の往復最低価格が５１万６７００ウォンで、ビジネスは２枚購入時１枚あたり９４万１７００ウォンで済む。

韓国内の航空会社も加勢した。済州（チェジュ）航空は１３日から３２０席に限り先着順で日本の大阪往復航空券を総額１５万１８００ウォンで販売する。だが注意すべき点もある。特価航空券はほとんどが短期間に限定数量だけ売るので、急がなければチケットを求めるのは難しい。特価航空券に関連して「顧客を誘引するためのえさ」という批判が出てくるのもこのためだ。

価格も注意して調べなければならない。昨年、韓国の国土交通部が航空会社に航空券総額を告示しろと勧告した後も、依然として一部の航空会社は税金と燃料サーチャージを除いたチケット価格だけを告示している。済州航空の場合もホームページに大阪特価航空券の価格を４万ウォンと大きく告示しておいて、下段にやや小さく総額１５万１８００ウォンだと付け加えていて紛らわしい。航空業界の関係者は「中東系が資金力をもとに特価航空券競争を触発させて以降、過去に比べて割引航空券のセールイベントが多くなったことは事実」としながら「だが依然として利用時期と数量の制約があるので多くの乗客が利用するのは難しい状況」と話した。