【社説】「反市場政策」の流れを憂慮する=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.12.19 15:10
ソウル市が年末のタクシー不足を解消するとして18日に出したタクシー強制配車政策に関する報道資料を回収し、再配布するという騒ぎがあった。ソウルの江南(カンナム)や弘大(ホンデ)など深夜にタクシーを拾うのが難しい地域3カ所にソウル市と契約した専属タクシーを配置し、距離に関係なく無条件に乗客のコールに応じるよう強制配車するという試験サービス関連の内容だった。問題は「(Tmapタクシーをサービスする協力会社)SKTが専属タクシーに支援金を支給」し、「来年3月の本格的な施行を検討」するという部分だった。ソウル市はTmapタクシー側と事前相談なく支援金支給と商用化を含めた報道資料を出した後、企業の抗議を受けてこの部分を削除した。強制配車が円滑に進行するにはタクシー運転手に対するインセンティブが必須だ。ところが、この部分に関する具体的な協議なく民間企業が資金を調達することを当然視し、報道資料を回収するという事態を招いたのだ。
単なるハプニングと見ることもできるが、現政権に入って横行している政府・与党と一部の地方自治体の過度な反市場的ポピュリズム政策の象徴的な事例と考えられ、懸念される。企業の腕をねじって財源を確保したり、税金を次々と投入する官の恩着せがましい政策は最近あちこちで見られる。