無限競争にさらされる韓国20代の間でそううつ病が増加中
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.03 13:06
20代会社員のキム(仮名)さんは、2年前に入社した時には期待に胸を膨らませていた。だが、そうして望んで入った職場が彼と合わなかった。上司は高圧的な態度で後輩たちに教えた。ほかの同僚は組織によく適応したが、自分は空回りするばかりのようだった。
彼は自分が離れ小島のように感じられた。先輩たちは彼と同期を比べて「お前が絶対に後輩みたいだ」という言葉もかけることもあった。冗談のようだが実は“遅れをとっている”ということだった。無力感と憂うつ感がおそってきた。そんなとき彼は気分の良い想像をした。突然気分が良くなった。どうすることもできない楽しさに、知人に電話をかけて中身のない冗談を言った。だが、ある瞬間になると気分が悪くなって電話機を投げ飛ばすこともあった。初めは大方歩調を合わせていた人々も、だんだんと彼の電話を避け始めた。キムさんは結局、両親の手に引かれて精神科を訪れた。彼は現在2カ月の薬物治療を受けている。
悲しみと喜びが1日にも数十回ずつ交差する、そううつ病の患者が韓国で増加している。すべての年齢帯の患者が増加しているが20代患者の増加が目立つ。2日、韓国の国民健康保険公団が発表した2007~2011年のそううつ病診療費支給資料によれば、人口10万人あたりのそううつ病患者数は2007年に96人だったのが2011年には118人と22.9%増加した。だが20代の患者数は同じ期間で10万人あたり99人から134人へと35.4%増加した。2007~2011年の10万人あたりの患者数増加率は20代が最も高い。