【社説】手ごわい問題「戦術核」…冷静に計算して慎重な決定を

【社説】手ごわい問題「戦術核」…冷静に計算して慎重な決定を

2017年09月11日16時10分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  韓国内外に広がっている米国戦術核の韓半島(朝鮮半島)再配備に関する議論が尋常でない。北朝鮮の差し迫った核武装に対する懸念によって米国の戦術核再配備論が韓国から米国につながっている。米NBC放送はホワイトハウス関係者の話を引用して「多くの人が韓半島の戦術核再配備を『見込みのないこと(nonstarter)』と見ているが、韓国が要求すれば戦術核再配備を排除しない」と報じた。この放送は「これは30年間、韓半島の非核化を追求してきた米国政府の政策を破ること」と分析した。だが、北朝鮮が6回目の核実験で水素弾開発に成功し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射で脅威すると米国としては攻撃的な対北朝鮮オプションが必要だということだ。

  米国のこのような動きは11日の国連安保理表決を控えて北朝鮮と中国に圧力をかける狙いがあると見られる。トランプ大統領が中国に圧力をかけて送油管閉鎖など対北朝鮮制裁をより強く課するように誘導しようとするカードという分析だ。また、戦術核の韓半島再配備は米国の北核対応への意志と核傘に対する信頼をはっきりと見せつける意味が入っている。米本土が北朝鮮の核脅威を受けた時、韓半島で核傘が作動するかに対する疑問が依然として存在するためだ。

  だが、米国の正確な考えは依然として察し難い。消息筋によると、朴槿恵(パク・クネ)政府が昨年米国に戦術核の再配備を要請したが、拒絶されたことが分かった。オバマ政府が「核なき世界」を前面に出して戦術核の拡散に強く反対してきたためだ。最近にも韓米連合司令官と米第7空軍司令官が「韓半島における戦術核の再配備を支持しない」と明らかにした。中国とロシアの反発を意識して米議会がこのような敏感なカードを切るかも疑問だ。

  戦術核の再配備に対する韓国政界の立場も賛否が割れている。宋永武(ソン・ヨンム)国防部長官は戦術核の再配備を検討しなければならないと主張したことがある。だが、文在寅(ムン・ジェイン)政府は公に「検討したことがない」として再配備に反対する立場だ。一方、自由韓国党はすでに戦術核の再配備を党論として採択した。与党内部でも文在寅選挙陣営出身のパク・ソンウォン元青瓦台(チョンワデ、大統領府)統一外交安保秘書官、李鍾杰(イ・ジョンゴル)元院内代表、金星坤(キム・ソンゴン)元国会国防委員長などが戦術核の搬入を主張して目を引いた。

  問題は北朝鮮の核・ミサイル暴走で状況が急変しているという点だ。まず、メキシコが北朝鮮大使を追放し、フィリピンが北朝鮮と交易を全面中断することにするなど、国際社会の雰囲気が尋常でない。何より注目すべき点は韓国内世論の流れだ。ギャラップ(5~7日)と韓国社会世論研究所(8~9日)によると、戦術核の再配備にそれぞれ65%と68.2%が賛成した。このような社会の雰囲気に米マスコミまでホワイトハウスの戦術核再配備説を報じて火に油を注いだわけだ。すでに戦術核の再配備をめぐる論争は避けられない、手ごわい問題になっている。今からでも政府は国際社会の対北朝鮮制裁とともに戦術核の再配備の利害得失を冷静に計算しつつ慎重に対処する必要がある。
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