【コラム】“質の良い人生”を探して…転換点に立つ韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.07.03 16:47
今年6月30日、統計庁は所得だけでなく雇用・社会福祉・健康・余暇・環境・教育・市民参加・共同体生活・安全など12領域で70~80の指標を使った「国民生活の質指標」を測って発表した。
統計庁で新しい統計数値1つ作ったからといって何がすごいのかと言うかも知れないが、これは韓国の歴史では意味深いことだ。1960年代以後、経済成長を最高の国家的な目標にしてきた韓国が、半世紀ぶりに国民福祉が所得だけでは測れないということを公式に認めたものだからだ。
特に1960年代から80年代までの「開発年代」に、経済成長は韓国の至上目標だった。政治家や政策官僚たちは、経済成長のためならほかの全てを犠牲にしてもいいと考えていたし、多くの国民がそれに暗黙のうちに同意した。当時の韓国は世界最長の労働時間を誇ったが、これは経済成長のために当然のことと見なされていたし、その過程で過労死した人々は国のために戦って戦死した軍人のように見なされた。労働者が体験する産業災害や人権侵害あるいは工場が吐き出す環境汚染の問題を指摘しながら成長が全てなのかという質問を投げかける人々は「不純分子」として追いやられた。