◆北朝鮮労働者がロシアに行く通路

貿易量は増えているが、両都市をつなぐ橋はなかった。取材チームを案内したホウスウェイ氏（４４）は「中国が両都市間に橋を建設しようと急いでも、中国の人々が押し寄せるのを警戒するロシア側が先に延ばしている状況」と伝えた。その代わり両国間には旅客船が行き来していた。旅客船は一日に８往復する。中国側とロシア側の船が４往復ずつする。中国出入国管理事務所の職員は「中国の人は中国旅客船に、ロシアの人はロシア旅客船に乗らなければいけない」とし「韓国人も中国旅客船に乗船しなければいけない」と説明した。しかしロシア側はロシア旅客船に乗るのが正しいとし、すでに降りた取材チームにまた船賃を要求した。しばらくもめた末、やむを得ず１人あたり３００ルーブル（約６０００ウォン）を追加で支払うことになった。

取材陣が乗った中国旅客船では大きなカバンと風呂敷を持った商人が目立った。韓国人であることを知ると、２０代の女性は笑顔で「アンニョンハセヨ（こんにちは）」とあいさつしながら歓迎し、「アンニョンヒカセヨ（さようなら）」と言って手を振ったりもした。韓国のテレビドラマを見て習ったという。韓国人が珍しい中国北側の国境地帯にも韓流は広がっていた。

船で会った３０代の中国女性に２時間後、ブラゴヴェシチェンスク内の大型市場でまた会った。ブラゴヴェシチェンスクの市場とショッピングセンターでは中国から渡ってきた服や履き物、さまざまな生活必需品があふれていた。商人もほとんどが中国人だった。市内の道路やレストランでも中国人が多かった。

中国・ロシア間の貿易が増える中、北朝鮮労働者もロシアを出入りしている。現地旅行会社の関係者は「北朝鮮の労働者が北朝鮮から中国丹東まで列車で移動した後、丹東から２０時間ほどバスに乗って黒河に来て、ロシアに入る」と説明した。３０－４５歳の男性が２０－１００人単位で移動するが、ロシアのあちこちで道路の建設などに投入される。３－６月にロシア側に入り、９－１０月には北朝鮮に戻るという。ＫＭＩのファン・ユンヒ研究員は「２０１２年９月にウラジオストクで開催されたアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）首脳会議を控えて都市を整備する当時、北朝鮮の労働者が集中的に投入された」と説明した。

取材チームは１５日、夜間列車に乗ってハバロフスクに移動した。ハバロフスクに近づくと、アムール川はロシアと中国を分ける国境の役割を失い、すべてロシア領土に入る。また中国側から流れてきたウスリー川と合流し、北東に方向を変える。アムール川沿いのハバロフスクでは韓国人旅行客の姿も目についたが、中国人・日本人旅行客がはるかに多かった。

韓国外大のキム・ヒョンテク・ロシア研究所長は「ロシアとしては中国を受け入れるしかないが、じゅうたん爆撃のように中国商品が押し寄せてくることに警戒心が少なくない」とし「ロシアの人々が低価格の中国商品に失望することになれば韓国商品に視線を向ける可能性もあり、韓国にチャンスになることもある」と述べた。

◆環東海時代を迎えて注目すべき地域

取材チームは１６日、アムール川河口都市ニコラエフスクに向けて出発した。４４人乗り双発プロペラ飛行機に乗るためにハバロフスク空港に行ったが、飛行機が予定より６時間も遅く出発し、深夜にニコラエフスクに到着した。飛行機は座席の指定もなく、カバンも空港の外までトラックに載せられてきたものを順に並んで受け取った。

ここではアムール川は川幅が５－６キロまで広くなり、特有の茶色い水が滔々とサハリン側のタタール海峡に向かって流れた。ニコラエフスク港湾管理事務所のスピリドノフ所長は「１１月下旬から翌年３月上旬までは川と海が凍結し、港として機能しない」とし「過去に船長だった当時、韓国の釜山（プサン）・馬山（マサン）・仁川（インチョン）にも行ったが、ニコラエフスクに韓国人が訪問したのは見たことがない」と話した。韓国人が訪問しないここでも韓国製品が目立った。ホテルの客室のふとんには「陰イオン」などのハングルが見られ、電話機もＬＧ製品だった。またホテルのロビーにはサムスンテレビが、アパートにもＬＧエアコンの室外機が見られた。スーパーには韓国の菓子とラーメン、起亜自動車の１トントラックもあった。

チュ・カンヒョン院長は「韓国人が関心を見せないアムール川流域だが、韓国製品などのおかげですでに韓流ブームが起きている」とし「環東海（トンヘ、日本名・日本海）時代を迎え、韓国が積極的に注目するべきところ」と述べた。（中央ＳＵＮＤＡＹ第４４６号）


韓国人が訪れない地域にも韓国製品…アムール川に沿っ쒂韓流（１）