【時視各角】新興国よりIMFの方が大きな危機だ=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.03 13:13
米ワシントンDCのホワイトハウスと国会議事堂、国際通貨基金(IMF)は団体訪問客の聖地巡礼コースだ。IMF本部ビル(HQ)は2棟だ。韓国人観光客もたいていHQ1より華やかなHQ2の前で笑って写真を撮る。しかしガラスで華麗に美しく飾られたこの建物には涙ぐましいエピソードがある。2002年に建てられたHQ2はアジア通貨危機当時の高金利での荒稼ぎで建てたものだ。ソウル大学のユン・テク教授は「韓国人の血と涙が染みついた建物だ」と話す。
IMFは経済危機を食い物にする組織だ。1980~90年代には68件の救済金融で大きな利益を得た。むしろ“ゴルディロックス”だった2002~2007年が暗黒期だった。だれも救済金融を申し込まず利子収入の枯渇で指をしゃぶるばかりだった。IMFは職員15%を削減し、保有する金403トンを売り、海外事務所も大幅に閉鎖した。ここにストロス・カーン総裁のセックススキャンダルと、「経済危機をはるか以前に感知しながらこれを隠した」という首席エコノミストの内部告発で満身創痍となった。
そんなIMFが再び浮かれている。新興国の通貨危機の兆しのためだ。先週末にIMFは「多くの新興国でファンダメンタルズと政策信頼を改善する緊急措置が必要だ」と警告した。おそらく通貨価値が暴落したアルゼンチンと基準金利を4.5%から10%に引き上げたトルコを指したようだ。IMFは「通貨危機当時に過度な処方でアジアに必要以上の苦痛を与えたかも知れない」という告白をすっかり忘れたようだ。