【コラム】防弾少年団、韓国のファン文化を輸出

【コラム】防弾少年団、韓国のファン文化を輸出

2017年12月08日09時17分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  ファンダムは韓国の音楽産業を理解するための主要なキーワードだ。アイドルのファンダムであれば尚更だ。組織的な動きが特徴だ。グループごとに色が違う応援グッズを持ち、歌の間奏にメンバーの名前を叫んだり合唱したり、ファンが公共の場所にスターの応援広告を出すなどは、おそらく韓国的なファン文化だ。

  最近では『プロデュース101』のようにファンが「国民プロデューサー」と呼ばれメンバーを選ぶテレビ番組が流行し、ファンダムの地位がより一層高まった。「Wanna One(ワナワン)」のようにファンダムがデビューさせたアイドルが既存の企画会社のアイドルよりも人気が高い状況だ。

  もちろん否定的側面も少なくない。エムネット・アジアン・ミュージック・アワード(MAMA)の結果に不満を抱いたEXOのファンらが青瓦台(チョンワデ、大統領府)の請願掲示板に「MAMAを廃止させてほしい」と投稿したり、Wanna Oneのカン・ダニエルのファンらがニューヨーク・タイムズスクエアに立看板の広告を出して誇示的なファンだとひんしゅくを買ったりしている。デジタル音源を夜通しストリーミングする不公正行為も珍しくない。しかし、このような問題にもかかわらず、熱心なファンダムなしでは芸能ビジネスはもちろん、政治的成功も容易ではないということを私たちは目の当たりにしている。

  世界的に注目されていている防弾少年団(以下、BTS)の成功談の背後にもファンダムの活躍が隠れている。韓国内外のファンダムが結合したグローバル・ファンダムだ。先輩K-POPアイドルもYoutubeなどでグローバル・ファンダムを率いたが、本質的な違いがある。BTSはデジタルの武器の中でも双方向のコミュニケーションが最も活発なSNSを前面にし、それにより韓国式のファン文化が海外ファンに広がった。たとえば、アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)のステージで彼らが『DNA』を歌った時、米国の少女ファンはまるで韓国の少女ファンたちのように一緒に歌い、涙を浮かべた。韓国式「ファンチャント(アイドルファンが事前学習で作る集団応援方法)」の完ぺきな実現だ。BTSが今回のアルバムを出した直後の9月、ビルボードのK-POP専門コラムニストのジェフ・ベンジャミン氏も中央日報とのインタビューで「BTSの(米国)ファンたちは非常に賢い。彼らはオンラインとオフライン上でどのように活動しなければならないかをよく知っている。ラジオの放送回数が多いほうではなくても韓国語の歌が流れたことだけでも勝利だと考える」と話した。

  あるK-POP研究者によるとBTSの海外ファンダムは昨年からすでにiTunesとアルバム購買に組織的に取り組んでいる。BTSを自ら「発見」したと考える海外ファンダムと、それをおもしろくないと考える韓国ファンダムの葛藤も少なくなかった。その研究者は「このようなアルバムの組織的な購買戦略は韓国ファンダムの有力な輸出商品」という表現も使った。あるブロガーは「ジャスティン・ビーバーやワン・ディレクションのような海外アイドルもファンクラブがあるが、このように組織化したり情熱的なファン文化はない。米国のBTSファンが韓国のアイドルファンと同じようにストリーミングや投票を行い、リアルタイムでトレンド・ツイート戦略を実施しているのを見て、ただ驚くばかり」だと書いた。

  恐らくこのように熱情的で組織的なファン文化を海外ファンにまで広めた決定的な役割はSNSだっただろう。SNSに強いBTSは24時間、舞台裏の日常をリアルタイムで中継し、丁寧に英語のコメントでコミュニケーションを取った。お高く止まった西欧スターやアイドルとは違い、壁を作らずに親しみのある関係を結んだため、ファンは自らを単純な消費者ではなく、彼らの成長を応援する「友人」、または「後援者」に位置させた。BTSも授賞式の時ごとに「アーミー」(ファンクラブの名称)に謝意を表した。BTSの成功はスターとファンダムが共に培った一大事件なのだ。

  韓国の歌手では初めて西欧のメジャー音楽市場を大きく攻略したPSY(サイ)の成功が、更に続くことができなかったのは『江南(カンナム)スタイル』の人気がPSY個人の人気(ファンダム)につながらなかったせいも大きい。滑稽な東洋男性というステレオタイプに依存して消費されたPSYとは違い、BTSは音楽、パフォーマンス、洗練されたスタイルをあまねく備えた魅力的な韓国男性として受け入れられている。そして何よりメディアの流れを正確に把握している。BTSがK-POPの歴史を塗りかえた真の理由だ。

  ヤン・ソンヒ/文化部長
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