韓国政府は６日、特使の北朝鮮訪問結果を発表し、４月末に板門店（パンムンジョム）南側区域の「平和の家」で第３回南北首脳会談を開催することにしたと明らかにした。来月は韓米連合軍事訓練「キー・リゾルブ（ＫＲ）」と「トクスリ訓練（ＦＥ）が行われている時期だ。韓米軍当局は４月１日にトクスリ訓練を、２３日にキー・リゾルブ演習をそれぞれ始める方針という。では、連合訓練期間中に南北首脳会談が開かれるのだろうか。

特使団を率いた青瓦台（チョンワデ、大統領府）の鄭義溶（チョン・ウィヨン）国家安保室長は「金正恩（キム・ジョンウン）労働党委員長が『北側は平昌（ピョンチャン）オリンピック（五輪）のために延期した連合訓練を４月から例年水準で進めることを理解する』と述べた」と伝えた。金正恩委員長は「しかし韓半島（朝鮮半島）情勢が安定傾向に入れば連合訓練が調節されるものと期待する」と話したと、鄭室長は付け加えた。鄭室長は「我々は『連合訓練の中断や再延期は現実的に不可能だ。その名分もない』という立場を伝えようとしたが、金委員長はすでに関連報告を受けて我々の立場を知っていた」と話した。

すなわち「連合訓練の実施について理解はするが、できれば延期になるのがよい」という意味だが、重点が「理解」と「延期」のどちらに置かれたかは時間が経過してこそ明確になるとみられる。鄭室長は「北側は（連合訓練が）例年的で防御的な性格の訓練という点を理解した」と評価した。

北朝鮮はその間、連合訓練を北侵略演習だと非難してきた。国営の労働新聞は先月２５日付で「連合訓練をすれば我々の千万軍民は断固対処する。米国が情勢の緩和を望むのなら連合訓練をやめるべき」と主張した。

特使団が伝えた金正恩委員長の発言はこうした従来の態度とは違うというのが専門家の意見だ。鄭永泰（チョン・ヨンテ）北朝鮮研究所長は「金委員長が連合訓練を実施しても理解するという趣旨で話したと考える」とし「北は連合訓練を米国と解決すべき問題だと判断したようだ」と述べた。

鄭成長（チョン・ソンジャン）世宗研究所統一戦略研究室長は「北は南北関係が良い時期は連合訓練にそれほど問題提起をしなかった」とし「非核化と朝米関係の正常化に進展を見せる場合、米国に連合訓練を調節することを要求するという意味として読み取ることができる」と話した。

しかし匿名を求めた国策研究所の研究者は「金委員長の意図は我々が韓半島情勢の安定に向けて譲歩をしたので南側もより大きな譲歩をしろというものだと理解する」とし「韓国政府は連合訓練をするにしても期間を短縮したり規模を縮小しなければいけない負担を抱えることになった」と話した。

米国はその間、連合訓練を予定通りに進めると繰り返し強調した。マーク・ナッパー駐韓米国大使代理は先月２８日、「連合訓練のさらなる延期の可能性はない」と一蹴した。韓国国防部は連合訓練の日程や規模の調整について「まだ決定したものはない」という立場だ。

しかし北朝鮮が非核化の扉を開いただけに連合訓練の調整が必要だという主張が政府内部で強まっている。韓米軍当局はすでに野外機動訓練（ＦＴＸ）のトクスリ訓練を２カ月から１カ月に短縮しながらも同じ規模でする案を協議中だ。