【社説】文在寅大統領の歩み、破格さほどに精巧さも必要だ(2)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.05.21 13:10
粒子状物質に対しては国内要因と海外要因、汚染源別の排出割合のような基本的ファクトから交錯している状況だ。政府官庁と研究機関ごとにそれぞれ異なる数字を出しておりむしろ混乱をあおっている。政策主導権をめぐり各官庁が対立を生じさせているため解決策どころか現況把握すらまともにできない。「決定障害政府」という新造語まで出てきた。こうした状況で新大統領の果敢な動きが注目を浴びるのは当然だ。
だが破格にすべてのことが解決はしない。広く知られた問題が解決されないのはそれだけ複雑で利害関係者が多いためだ。アレクサンダーが「ゴルディオスの結び目」を解くように一刀のもとに斬ることはできない。非正規職問題だけでも企業はもちろん正規職労働者との対立が足を引っ張っている。粒子状物質は産業界とディーゼル車利用者、エネルギー政策と中国要因など変数がさらに多い。これら利害関係者の社会的合意がなければ解決は遅々として進まなくなる。