【コラム】韓国人の沸き立つ野望、ふさがれた出口(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.04.09 14:00
筆者は100%同意する。韓国人は“沸き立つ野望”で生きているということに。これは私の話ではない。世界最高のコンサルティング会社マッキンゼーを総括指揮するドミニク・バートン会長の話だ。彼は韓国人が絶えず生産する熱望を「そのままの野望(raw ambiton)」と表現したが(朝鮮日報3月30日付)、「胸の底から無限に湧く本能的野望」、外国人が理解できない「沸き立つ野望」だ。韓国が死の谷を渡っていた1996-2004年にソウルに滞在して得たバートン会長の観察は、自身のリーダーシップを変えたという。そこがどこであれ地層の中に埋もれた野望の資源を見つけだして点火し、野望に満ちた人材を発掘して前面に出すことだ。沸き立つ野望に出口をつくることだ。
韓国人に野望を見るのは昨今のことではない。1894年の冬に朝鮮に入国した英国王立地理学会の会員イザベラ・バードも、暮れていく中世でうごめく溶岩を目撃した。無秩序に沸き立つ溶岩から強烈な魅力が発散されているのに気づくまで1年ほどがかかった。朝鮮に足を踏み入れた時のその嫌な感じはいつの間にか強い好奇心に変わり、ついにこうした結論に到達した。「韓国人はある行政的なきっかけさえ与えられれば恐ろしいほどの自発性を発揮する国民だ」。沸き立つ野望、その恐ろしい自発性で20世紀を渡ってきたのだ。
イザベラ・バードがいう“行政的”という言葉は国家リーダーシップを意味する。解放後、2つの類型の国家リーダーシップ、恐ろしいほどの自発性を発揮させた“きっかけ”があった。一つは言うまでもなく「周囲の目を気にせず疾走した」朴正煕(パク・ジョンヒ)大統領だった。沸き立つ野望を動員して強力なノズルで増幅した結果が「漢江(ハンガン)の奇跡」だった。もう一つの類型は25年間続いた「民主的出口」だった。開発独裁の弊害を解毒しながら1人当たり国民所得2万ドルの国に苦労して育てた。通貨危機で大きな打撃もあったが、新しい出口をつくるのに孤軍奮闘した歳月だった。経済規模が大きくなり、企業組織が膨張すれば、新しい出口探すのが容易でない。野望は相変わらず沸き立っているが、資本主義規則の支配力はさらに堅固になっているためだ。朴槿恵(パク・クネ)政権が直面している状況がこれだ。