結婚３年目のイさん（３３）とキムさん（３１）は旧正月を控え、ひどく夫婦げんかをした。長男の嫁のキムさんは、旧正月の料理を準備するため婚家の慶州に早く来てほしいという姑の言葉のため、数日間眠れなかった。キムさんは結婚後、毎年の中秋と旧正月の連休が苦痛だ。油まみれになるほどチョン（チヂミ）を焼き続けることを考えるだけで、体がだるくなった。夫のイさんは「楽しく過ごすべき旧正月だが、毎年けんかをしてなだめることを繰り返している」とため息をついた。

ゲーム会社の幹部パクさん（３７）は、今年の旧正月も里帰りをしないことにした。親せきが集まる父の家に顔を出さないのは３年連続だ。その代わり会社で当直を要望した。パクさんは「親せきから何度も『いつ結婚するのか』と聞かれるのも嫌で、親にも申し訳ない」と話した。パクさんは「連休に里帰りして帰ってくると、いつも脱毛がひどくなった」と語った。

旧正月が近づき、今年も「旧正月症候群」が表れている。旧正月症候群とは、ストレスによる精神的・肉体的症状に苦しむことをいう。高麗大のチョ・ギョンファン教授（家庭医学科）は「長い連休で不規則な生活をし、まず体の生活リズムが崩れ、特に負担が大きい人は精神的なストレスが身体の異常につながったりする」と説明した。

旧正月症候群に苦しむのは主婦だけでない。「旧正月の時、どういう言葉が最も傷つきますか？　いくら親せきとはいえ、言ってはいけないことがあります。どうか『どうしてまだ結婚しないのか』『どうしてまだ子どもがいないのか』 『どうして就職できないのか』『どうして浪人するのか』などの言葉は控えてください」。 『やめれば初めて見えるもの』の著者ヘミン僧侶が８日、ツイッターに載せた言葉だ。

就職ポータル「サラムイン」が求職者と会社員２６８８人を対象に調査し、５日に公開した「旧正月に最も聞きたくない言葉」の結果を見ると、未婚男女の大半は結婚の話だった。未婚会社員の４７．３％は「いつ結婚するのか。恋人はいるのか」を最も聞きたくない言葉に選んだ。一方、既婚会社員が選んだ１位は「子どもはいつ作るのか。早く作らないと」（１３．３％）だった。求職者には就職の話が大きなストレスだ。「これからどうするつもりなのか」（２２．６％）、「まだ就職していないのか」（１５．９％）が最も多かった。

既婚男性も旧正月ストレスを感じている。韓国ワーキングママ研究所が夫５１６人を対象に調査した結果によると、全体の９割がストレスを感じていることが分かった。その原因は「長距離運転および交通渋滞」（４２％）が最も多く、「姑と嫁の関係」（２１％）、「妻の小言」（１７％）が後に続いた。

ソウル大のパク・サンミン教授（家庭医学科）は「一人に過度に仕事が集中しないようにして、お互い精神的ストレスを与える状況を作らないよう配慮することが重要」と助言した。韓国礼節文化院のオ・ギョンヨル事務局長は「妻・夫の家族・親せきがすべて自分の家族だと思って、お互いの立場を理解する必要がある」と述べた。