【時論】文在寅ケア、無料はない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.01.08 16:10
最近の世論調査によると、人々は健康保険の保障性を高める「文在寅(ムン・ジェイン)ケア」には賛成するが、健康保険料をさらに多く出す考えはないことが分かった。国民の10人に6人は文在寅ケアを支持したが、保険料をさらに多く出すという国民は10人のうち2.5人にすぎなかった。健康保険料を増やすのではなく、政府の財政で保障性強化に必要な財源を充当するべきだという意見が最も多かった。しかし政府の財政も国民のポケットから出る税金から確保される。決して無料ではない。保険料を上げなければ自分の負担は増えないと考えれば錯覚だ。
健康保険の保障性強化に必要な財政を税金で充当すれば国民の立場では損だ。税金で健康保険の財政を充当すれば自分が出した税金ほどしか恩恵を受けられないが、健康保険料を上げれば企業と政府が出す保険料まで合わせて恩恵が倍に増える。国民が保険料として10万ウォンを出せば、会社や政府がここに10万ウォンを加えて全体の健康保険料は20万ウォンになる。健康保険料をより多く出すことが国民にははるかに利益だ。健康保険が病院費をまともに保障できないため、多くの国民は民間の医療保険に別に加入する。国民の10人に9人は民間医療保険に加入していて、1カ月に保険料として平均29万ウォン(約3万円)を出す。
健康保険料が1世帯あたり10万ウォン程度であるため、民間医療保険料として健康保険料の3倍を出しているのだ。ところが民間医療保険から受ける恩恵は健康保険の3分の1にしかならない。民間医療保険料10万ウォンを出して受ける補償は7万ウォン程度にすぎないが、健康保険料として10万ウォンを出せば18万ウォン程度の恩恵を受けることができる。さらに健康保険料を最も多く出す上位20%高所得層も出した保険料より多くの恩恵を受ける。民間の医療保険に加入する代わりに健康保険料を多く出すのが賢明な選択だ。