【時論】トランプ米次期大統領の貿易アジェンダ(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.01.04 13:18
そのため、トランプ氏はホワイトハウスに国家通商会議(NTC)という組織を新設すると発表した。NTCの任務は「バイ(buy)アメリカ、ハイヤー(hire)アメリカ」という新たなプログラムを通じて製造業の雇用流出を止めようとするものだ。トランプ氏は、カリフォルニア大学アーバイン校のピーター・ナバロ教授(経済学者)をNTC委員長として任命した。ナバロ教授は、「トランプ・ドクトリン」を作った主役の一人で、中国と既存の米国貿易政策に対する確固たる批判者だ。ナバロ教授の任命はすでに中国を怒らせている。
トランプ氏の他の閣僚任命も彼の選挙キャンペーン修辞の一般的な趣旨を反映している。ウィルバー・ロス氏を商務長官として任命したのが良い例だ。投資家であるロス氏は既存の貿易協定が貿易不均衡の問題を解決する手段を米国に十分に提供しておらず、協定の結果が米国の事業に有利に働かないだろうと信じている。彼は、KORUSを含め、既存の貿易協定が成功的でなかったと攻撃した。さらに、協定を自動的に検討し、潜在的な貿易不均衡を解決する「5年回顧(five-year lookback)」条項が含まれていない貿易協定の締結を控えるようにトランプ氏に勧告した。同様に、トランプ氏がホワイトハウス首席戦略官に任命した最側近スティーブ・バノン氏は自称ポピュリスト投資家で、定期的に米国内の自由貿易支持者を「グローバリスト(globalist)」と非難してきた。