【コラム】潘基文と「スペック政治」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.01.07 13:21
潘総長の任期は2016年12月31日までだ。2017年に73歳となる年齢が変数だが、大統領選挙への出馬が物理的に不可能なことはない。大韓民国史上初の「外交大統領」、直選制以後初の非嶺南(ヨンナム)・非湖南(ホナム)・忠清(チュンチョン)の大統領、国際機構トップ出身の大統領が可能だろうか。歴代の国連事務総長の中でオーストリアのクルト・ヴァルトハイム(第4代)は事務総長を終えて5年後に大統領になった。外治・内政を分担する分権型の大統領モデルが強調されれば、潘総長の強みはより一層浮上する。
政治は強力な真空清掃機のようなものだ。一時はマイクロソフト創業者兼世界的慈善家のビル・ゲイツ氏まで引っ張られた。ビル・ゲイツ氏は「今している仕事が(大統領よりも)より良くて、8年という任期制限もない」として重心を失わなかったけれど、韓国のビル・ゲイツ〔安哲秀(アン・チョルス)議員〕が今、新党創党に忙しいところを見ると、韓国政治が米国よりも何倍も吸入力が強いようだ。うまく行く時は獣医学者の黄禹錫(ファン・ウソク)博士まで吸い込もうとしたのが韓国の政治だ。次期候補者1位に浮上した以上、与党も野党も潘総長を放ってはおかないようだ。焚きつけてでも、そうしようとするだろう。
潘総長は韓国史の教科書に「誇らしい韓国人」として名前が紹介された数限られた現存人物だ。多くの子供たちが今の彼を見て、外交官の夢を育てる。そんな彼が汝矣島(ヨイド)に足を踏み入れることになる瞬間、反対陣営はかみついて「誇らしい韓国人」は一瞬のうちに「ケガを負った油ウナギ」になるかもしれない。大統領候補の安哲秀を得る代わりに、教科書に出てくる安哲秀(アン・チョルス)、つまり韓国のビル・ゲイツを失ったのと同じように、子供たちは夢を政治に奪われるだろう。